「感謝の灯火(ランプ)」を贈られた時の写真をわざわざ送って来てくださったYさん。
本当にお心遣いが心に沁みます。
絵の印象や解釈が時と共に変わるようになればと思って描きました。
10年とか20年以上経過してから「あぁ…」とか「あれっ、こんな絵だったっけ⁉︎」となって頂けると嬉しいです。
これまでも贈り物の絵のご依頼をたくさん頂いており、下はその中からの2枚をピックアップしました。
これらを並べてみるとそれぞれに共鳴する世界観がありますが、それは私が描いているから当然ですね。
でも今回の最新作は色彩上のアプローチを意識的に変えました。
何をどう変えたか?
原色を出来るだけ使わずに微妙にくすんだ色を用いる。全体のメリハリやコントラストを柔らかくするために、明度を揃えてみました。
明度は薄く塗れば塗るほど高く(明るく)なり濃く塗ると低く(暗く)なります。
透明水彩は白絵の具を混色しないのでこの説明で済むのですが、ガッシュ(不透明水彩)や油彩画、日本画は薄く塗るのではなく白絵の具を混ぜて明度を調節します。
またデジタルペイントは厳密にいうと光(RGB)なので、話がややこしくなるため横に置いておくとします。
カラーよりモノクロに転換した画像で見比べて頂くと、彩度や色相が完全に抜けて明度だけになり分かり易いです。
これでいかに最新作のコントラストが弱いかがご理解頂けたかと思います。
とはいえ、どの絵が良いか、好き嫌いは人それぞれです。
私が今 模索しているのが見た目のインパクトに頼らない絵のありようで、今日は色彩を切り口にそこを少しお話ししました。