秋🍂は私にとって一番好きな季節として一貫しています。
小学生の頃から銀杏が紅葉して黄色くなる姿に胸を熱くして眺め入る変わった子でしたが、絵にしようとすると同じようにはいかない。
そのジレンマは40歳頃までずっと持ち越していました。
この「落葉」という油彩画は、その意味で初めてその端緒を掴めたかなぁ…と思えた作品です。
この木は銀杏ではないですが、自然の中の黄色のニュアンスを作るのは本当に難しい🤨 ちょっとした事で下品になるからです。
20年か、もっと前かも知れない「落葉」を思い出して、今日は無性に今の私にとっての秋🍂を描いてみたくなりました。
下描きなしでノープラン、即興で描くことにしました。そして殆どの色面は3色を混色しよう。それが秋の深さだと考えて臨みました。
「ようこそ僕らの町へ」
描きながら先がどうなるかわからない、着地点が見えないという不安は一見するとリスクに感じます。
でも、全て自由に遊び切って不安を吹き飛ばせば良いという事は明確です!
陰鬱な空の下、明快な光のコントラストをなくした暗調のトーンの中にうごめく生命力が出ました。
私としては「落葉」の頃には手が出せなかった世界観なのですが、それは難易度は圧倒的にこちらが高いからです。
一般的に気取りがないどころか下手な絵に見える「ようこそ僕らの町へ」は、実際に下手です。
そして下手なのが魅力だという点で、「落葉」を圧倒します。
別にどっちが良いと決める必要はないのですが、こんな絵が描けるまで生きて来れたことに感謝の気持ちで一杯です。