水彩画チャリティー企画として一点ものの原画を提供しましたら、この一週間ほどで3枚も旅立ちました。
https://yasunariart.hatenablog.com/entry/2023/08/31/231611
本当に有り難いことです。
「おじいさんハウス」
洗い画法(着彩後に色を抜く)で描いたこの絵には愛着があり、大事にしていました。額に対して絵が小さめなのも好ましく、可愛いですね。
確かに自分が即興で描いたのは間違いないのですが、色遣いやフォルムを一歩間違えるとホラー映画になります😆
決して笑っていないのが私の挑戦した部分です。それでも「この家に住みたい」と仰って頂けたのは、その方ご自身の思いやりを投影されているのです。
絵から感情が出ているのではなく、投影しているという事がとても意味深いですね。
同じ洗い画法を風景画に用いると哀愁漂うのですが、かなりクールになります。イラストであろうが風景画であろうが、観る人を惹き込む点は共通しています。
これは子どもが描いた窓のあるハートをもらってコラージュした作品。
「ぞうは想う」
ハートに窓があるので、家らしきフォルムには要らないと直感的に判断した気がします。家がキノコにも見える利点があります。
象がエメラルドグリーンの様な発色をしているところが気に入っています。
何も圧迫するような感じはなく、全てが浮遊している感覚になるのが不思議で魅力的です。
象の脚元と家らしきもののラインが横並びになっている点が非常に重要です。調子が悪い時はここで失敗します。
象と家に段差があると風景画の構図の要素が働いてしまって、奥行きが生まれたり、それにより各々のサイズを感じてしまいます。
これは上手くいった例です。
この絵は正直、破綻しています。馬もなぜ描いたのか自分で意味が分かりません。
「ランプを灯せば」
少年と少女は恐らく兄と妹、または二卵性双生児だろうと思いながら描いています。でも犬か馬かロバかハッキリわかりません。
二人は夜の寝る時間にこっそりとランプを灯して何かお話をしようとしているのです。それか、一緒に何かの言い訳を考えようとしている。
その時のざわめきが寝室を異空間に様変わりさせているのですが、犬と窓外のふくろうが眼を合わせているところを一番現実的にして、コントラストを出しました。
とまあ、全部後付けです。描いている私自身はその時、感情が支離滅裂な状態でしたので、下手にまとまるよりは正直に破綻の方が良い場合もあります。
いづれにせよ旅に出て、より面白く解釈して頂けることを喜びます。
どうか、絵がある豊かさをもたらしますように。