日本での先行巡回展示を9月14日迎える「国際水彩画交流展MBDj17」に対して、主催の国際芸術交流協会シロカスターザの本国セルビアでは同展MBDj16が30日に開幕することとなりました。
今年の入選作品50作品を2パートに分けて日本とセルビアでそれぞれ先行巡回展示。2021年あたりからこのスタイルになった経緯は時々お話ししていますが、ご存知でない方の為に記載します。
今から遡ること数年前にコロナ禍に入った当初、ヨーロッパの被害が甚大でした。東ヨーロッパに位置するセルビアでは友人からも夜の外出が1ヶ月単位で禁止されたり、生活必需品の販売店に限り日中の営業を認可されても飲食、嗜好品、娯楽産業、果ては病院や公共機関まで閉鎖や人員制限をされて、相当なストレスを抱えて疲弊していると嘆いていました。
実際にコロナきっかけでお亡くなりになった方の数は日本の比ではなく、本展に関わっていた方の絵描きの中にもいらっしゃいました。
そういうわけで家時間が増えた事から絵を描く方の公募展のエントリーへの関心が高まった事については嬉しい誤算となりました。
それ以前は慣例として入選作品を25点に絞って運営していた本展示会の枠を以降は50に増やし、半分ずつをセルビアと日本でそれぞれ展示をすることで合意しています。
そして一年以上掛けて、両国や他国を巡回するなどしています。
そういった土壌から参加者の中に、相当な力量のプロの画家が参加してくれる様になって来ました。寄贈が条件となる本企画であっても、快く応じて絵描き同士の国際交流に関心を寄せて頂けることは運営する者にとって大変光栄なことです。
セルビアではパンフレットを毎回作って配布する習慣があります。これは個展などでも同じで私も作ってもらいました。今回MBDj16のパンフレットの裏表紙が上の写真です。
私も専門的な画家という肩書きでシロカスターザメンバーとして扱わるようになり、以来裏方に徹しています。
この裏表紙に掲載された素敵なヌード作品はボスニア・ヘルツェゴビナ(BIH)の画家レイラ・ムスタフィッチさん(写真)作です。
納品された原画と額装された原画、その工程をご本人が公開しています。これは相当なものです。
一眼でデッサンなどのアカデミックな課程を修了した画家である事がわかります。でもアカデミック啓蒙主義という考えではなく、それを通り越した独自性に達している事が素敵なのです。
他の作品をいくつか転載させて頂きます。
先程、レイラさんとはSNSを通じて友人リクエストが来たので繋がったところです。こういったご縁が物理的な距離や国境の壁を緩やかに超えて繋がり続ける事が国際交流の魅力です。
先のヌード原画も来年には日本で披露されるので、気長にお待ち頂ければ幸いです。
原画を見ることは絵を学びたい人にとっても最高の機会になると思います。私も勉強させて頂こうと思います。
両国の展示会の盛況を祈ります🙏