前回アップした描きかけの絵が完成しましたので、段階的に工程をご覧下さい。下描きは例によってしていません。リアルになり過ぎるのを回避するためです。
雨上がりの夕暮れ。これ以上ない程の好みの写真を空気と光でベースを作ります。
光を残す様に工夫して徐々に建物を描き込みます。
鉄製の非常階段。とても写真っぽい遠近感が絵に向かないので、これまで描かないで来たのですが、そこに敢えて挑みました。イラストレーションと透明水彩の風景画が折り合うのはどこか!? それが今回のテーマだからです。ここまで白絵の具は全く使っていません。
完成作品がこちら
通常なら非常階段の手摺りの柵は建物と同じ傾斜になるのですが、躍動感を出す為に、互い違いに傾けました。そうする事で写真感が抑えられて、絵としての面白さが出て来ます。ここでハイライトに白絵の具を刺したり、少しオイルパステルで味付けをしました。
リアルな現実感と絵の滑稽なフォルムを何とか同居させる事が出来た気がします。アメリカの敬愛するイラストレーター、バーニー・フュークスとエコール・ド・パリで人気のモーリス・ユトリロを融合させた様な自分で見た事がない絵を描けたのかどうか・・・❓
明日額装してアトリエに掲示し、一ヶ月ほど眺めていても飽きない様なら自分としては合格です。