アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

デ・ニーロのスピーチ

ロバート・デ・ニーロの近年の映画は殆ど観ておりませんが、1970年代に一躍第一線に躍り出たゴッドファーザーpart2」の若き日のドン・コルレオーネ役や「タクシー・ドライバー」ラヴィス役は一回観たら強烈に脳裏に焼き付きます。

左の絵はかなり前に気まぐれに描いたドン・コルレオーネのドローイング。


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そして、右はシ・オ・ミ師匠の依頼で描いたその頃のデ・ニーロ。とはいえトラヴィスの写真から起こした絵です。(これも5年ほど前ですね)

師匠にデ・ニーロを描いてと頼まれた理由は、40年以上前に師匠が行き付けだった京都新京極のお好み焼屋に遡ります。

望遠レンズ付きのカメラを首から下げた若い外国人が入って来てテーブルに着きました。食事を終えた師匠がカウンター越しに店主のおばあちゃんにマジックを見せていました。

するとその外国人が「あなたはマジシャンか?」と話し掛けて来たのがキッカケで、当時の職場だったデパート、高島屋のマジック売り場に連れて行ったのだそうです。

この時点では、ただの観光客だと思っていたのだそうですが、片言でやり取りする内に、ロバート・デ・ニーロに似てるなぁと思って本人に確かめたら本当にそうだったのです。

彼はマジックマニアでたくさんのマジックグッズを買って帰ったそうです。当時はアカデミー最優秀助演男優賞を受賞し「タクシー・ドライバー」がカンヌ映画祭でグランプリを獲るなど、すごい時期だったのに関わらず、普通の青年に見えたし、全然偉そうではなかったのが師匠に感銘を与えたそうです。

このようにウソのようなホントの話がシ・オ・ミ師匠には沢山あります。

その話を私に聞かせている内に「彼の絵を飾りたい!」となられたので描かせて頂いた次第です。このエピソードを交えた肖像画の展示を先日台風で突然閉幕した「魔法なピアザのMAGIC展」でして頂いたばかりです。

たまたまYouTubeで近年の彼がアメリカのアート系の大学の卒業生に向けたスピーチ動画を観ました。その中の彼はかなり恰幅も良くなって、昔の面影は余りありませんが、スピーチの内容が本当に素晴らしいのでリンクを貼ります。

それがこれです。 https://youtu.be/RLnhEZBzNdU

私はよく失敗を奨励する記事を書いて来ましたし、今もずっと失敗を重ねて生きています。失敗は自己否定に繋がるので回避するに越したことはないという考え方に抵抗を持っていて、むしろ失敗をしないと先に行けないと言うのが私の持論です。

でも、その比ではないロバート・デ・ニーロの叱咤激励は本当に勇気と現実的に役立つ思考や経験則に溢れており、若者全員に金言となっています。鳥肌が立って、感動で胸が熱くなりました。

アーティストを目指している方は是非、ご覧下さい。