アトリエ青 Atelier Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

紙お越しで抜け感

関わって9回目となる今年の公募展(MBDj14)の私の入選作品があまりにも酷いので、白のアクリル絵の具で紙残しに見せかけた紙お越しを施しました。

出品・審査終了後に手を加える行為は決して誉めらることではありませんが、セルビアに向けて発送する際に、耐え切れず触りました。


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右が紙お越しをした作品です。青のクレヨンを摺り込んで影と同期させた箇所もありますが、絵の具での彩色は全くしていません。それでも、これだけ印象が変わるんですね! 

という訳で、テクニックの展覧会の様に精巧な透明水彩を描きたくなるのも理解は出来ますが、私には抜け感が大事。ただ、単にガサツでノッペリしてしまったら最悪です。今回のような場合は、紙お越しするだけで建て直せるという一例としてご覧いただけたらと思います。

但し、白絵の具に色を混色して加筆するのは止めた方が良いです。

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この絵は2015年の個展で発表した作品です。洗い画法や、イルミネーションにスパッタリングという技法で飛沫による点々を無数に描いています。その際にあらゆる色を白に混ぜているので、殆ど油絵に見えます。だから作品として重厚感があり、緻密な感じを受けます。

そこが一見この作品の魅力の様であり、目を惹きつけるのですが、直ぐに息が詰まって来ます。その原因は抜け感がないからです。この絵は紙残しが0なのです。洗い画法で色を抜いたとしても抜け感は出ません。それ程一瞬の白は作品を軽くします

一般的に先の紙お越しの絵は下手で、こちらが上手い絵だと解釈されるとは思いますが、私は下手な方をこれからも選び続けます。