敬愛するマジシャン シ・オ・ミ 師匠の親友で、同じくマジシャンのルビー天禄さんがお亡くなりになりました。
一昨日師匠とお茶をしている時に弟子から突然の訃報が入り、膝から崩れ落ちてしまわれた師匠。不慮の事故に遭われ、そのまま逝かれたそうです。私もルビー天禄さんには何度かお目に掛かっており、お店にもお邪魔した事があります。
マジックも拝見しましたし、ラジオに一緒に出演させて頂く機会もありましたが、歳下の私に対しても、冗談を言ってフォローして下さったりと、優しい気遣いをして下さる方でした。
今日は、シ・オ・ミ 師匠から「彼の肖像画を軽いのでいいから描いて欲しい。」とのご依頼を受けましたので、電話を切るなり、直ぐにB4サイズの水彩紙に油性ペンで一気に描きました。
画面下には私も一緒にお店に伺った時の記念写真を配置する事にしました。皆んな師匠とは45年を超えるお付き合いの方ばかりです。
ルビー天禄さんは後進の育成に尽力されて、数々のプロマジシャンを世に出されたのですが、お店の営業ではバラエティ豊かなマジック、イリュージョンされても、シ・オ・ミ 師匠の会では3本リングしかされない事で有名でした。
3本の金属の輪っかが繋がったり、離れたりするアレです。マジックをあまり見ない方でも王道のアクトとして知っておられると思います。
その場によってBGMだけを、変えたりはされるのですが、私はこの3本リングを拝見する度に、毎回目頭が熱くなって、泣いてしまうのです。一体この感情は何処から湧いてくるのでしょうか?
私が言う、表面的なものより内面が強い絵を「本物」だと定義するのと一緒で「本物」だからだと、だいぶん後で気付きました。一番最初はBGMがサザンの「いとしのエリー」だったので、泣いてしまったと思ったのですが、そうではないのです。
ルビー天禄さんの3本リングはもう見る事が出来ません。その思いを込めてご自身のお店の看板に描かれたマスコットキャラが3本リングをしているように描きました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。