アトリエ青 Atelier Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

気後れを持とう

最近クロード・モネをよく思い出してしまいます。最初の出会いは小学生の時に画集でアフルレッド・シスレーカミーユピサロオーギュスト・ルノワール等と共に編集された印象派画集を見て、なんだか穏やかなのに胸が踊ったことがキッカケでした。中でも私はモネやシスレーに特に惹かれました。

その時から風景画を愛するようになり、中学校の美術部で油彩画を初めて描きました。しかし、全く印象派のようには描けません。当たり前ですが、最初にモネの原画をまとめて観たのは高校3年生の時でした。原色を上手く利用して色のもつ魅力を巧妙に引き出している事を知りました。原色とはいえ、白絵の具の混合率が絶妙でした。その意味では原色ではないのですが、どうでも良いかと思います。なるほどこうやって描いているんだ。それから更に20年掛けて40歳を超え、ようやく印象派の画調の端緒を何とか掴むまでになりました。この絵はブログを始めた頃(2014年頃)にもアップしていますが、これ以来油彩画を描かなくなりました。

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まるでフランスの田舎の様ですが、琵琶湖に浮かぶ矢橋帰帆島(やばせきはんとう)という人口島のポプラの木です。一年以上現場に通い、述べ25時間掛けて描きました。一年をまたいだのは、風景がどんどん変わってしまうからです。最終日は6月の蒸す日で熱中症になって倒れ、なんとか九死に一生を得ました。この時の恐怖体験から、野外で描けなくなりました。

油彩画も透明水彩画も徹底して現場で描くことを長年続けたことは、とても良い修行でした。近年写真を見て描いても成立するのは、この修行あってこそかと思います。写真は便利な様ですが、色々な制約があってやむを得ず利用しないと大変な事になります。はっきり言って私も含め写真を利用した風景画は妥協です。その気後れを持つのも大事なことです。