ベオグラードの繁華街のビルの合間の細い路地奥の裏庭。
黒い猫が一匹私に擦り寄って手を差し出すとトボトボと向こうに行きました。
そこの壁がレンガにモルタルを塗った様な作りですが、ずいぶん前に剥離してべろんとなってたり、浮いていたり剥げ落ちていたりで、とにかく雰囲気抜群だったので写真に収めていました。
改めて見ると一本の洗濯干し用の紐が吊ってあって、いくつかの洗濯バサミが。。。
その下には一本のボトルに無造作な鉢植え。画面全体が地面と壁という大胆な構図なのに生活感が程よくって楽しい感じ。そこで今日はこれをメインに描くことにしました。
側にはハンドメイドの靴屋があり、私は例によってすっかり店のオヤジと意気投合しました。
足の踏み場がないというのはこの事だという様な工房と店です。
スリッポンとデザートブーツの両方をで6,000ディナールなので7,000円弱と、恐ろしいくらいに良心的な価格。それなのに履き心地は軽くて吸いつく様なフィット感で抜群です。
「あんたの靴は大好きだ!」「ハンドメイドだからな。」などと話す流れで、「私は画家だ。」と言うと、「もし今あるなら絵を見せてくれよ。」というので、30枚くらい手持ちの絵を見せました。
全部見て、中でもこれは気に入ったというのがあったらしく、それがまた彼らしい好みだったので即プレゼントしました。
このオヤジにはリピーターが沢山いる様ですが、私もまた来たら必ず寄るからと言って帰りました。