アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

老獪(ろうかい)

 壮年になって、色々積み重ねた経験や知識が身につく一方で、勢いで頑張る(無理をする)とその反動で返って後が祟るという事も学びました。

40歳台までは、気合いで徹夜、仕事を抱えて長時間労働(30時間など😅)とか無茶をしては、自己有用感を満たしたりしたものです。

しかし、それが原因で何度か疲労で倒れて本末転倒になり、無様なことこの上ない。
これも若気の至りであり、そういった男のアホな美学😂は何も意味がない事に気付きました。でも、そうした恥ずかしい思いは自分を開放します。

不要なプライドは高慢な態度にしか繋がりませんが、みっともない経験はしておく方が楽です。

50台では徹夜は絶対にしない。睡眠時間は7時間で充分だと言われますが、私は強烈なイメージの夢を毎晩見るので、9時間でも良いくらいです。

未だに夢だったのか、そういう映画が存在したのか判別出来ないものが数本あり、どうしてももう一回観たくて「あの映画のタイトル何だったかなぁ?」と記憶を辿ったり、blurayが発売されいないかしらと検索ワードを入れても出て来ません。

そうする内に、次第にあれは夢だったのだろう?と諦めたりを繰り返しています。

映画と夢が同じ濃厚さで記憶に刻まれる感覚 は若い時にはなかった事で、まあ面白がっていれば良いかと開き直っています。

話が夢に逸れましたが、2023年は、これまで9年間比較的スムーズに交流して来たセルビアの国際芸術交流協会シロカスターザの国際巡回展示が大きな壁に阻まれています。

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トルコでの巡回展示会を予定していましたが、大地震でそれどころではない状態です。またロシアのウクライナ侵攻は大きな影をヨーロッパ全土に落としています。

今後数年間は予断を許さない状況ですが、シロカスターザはロシアの絵描きも含めて交流しています。芸術に国境はないし、政治的に中立であることが優先されるべきです。

航空便には国際小包とEMSのざっくり2種類があり、中でもEMSは保証や追跡が出来る点で安心性が高いので、少々割高ですがこれまで有効に活用して来ました。

でも、航路変更の影響で相当数減便されており、それはコロナ禍のピーク時の比ではありません。今はとにかく、双方から作品を発送しようにも航空便が使える目処が立たないという非常事態に陥っています。

 


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唯一の輸送手段は船便だけです。船便は一番安価ですが、国外に出た途端に追跡不能になる上、配送期間が1ヶ月以上 〜 半年程度が目処というデメリットがあるので、今まで一切使うことなくやって来ました。

私が発送した100点近い原画が日本を出てから既に2ヶ月。音信不通状態でしたが、一昨日無事に到着したようです。

友人であり、シロカスターザ会長のボシコからも発送が出来なくて困っている旨の連絡が来ました。「我々の努力で如何ともし難いものは待つしかない。」という見解でお互い合意しています。

「果報は寝て待て」と言いますが、やる事をやったら身を委ねるしかありません。

この様に決して焦る事もなくなったのは、歳を重ねたメリットであり、何とでも出来る(何らかの方法や代替案が見つかる)という自信のなせる技かと思います。

柔軟に対処して、楽しむことが一番です。

ひとまずはオンライン形式での展示会に切り替える時かもと考えています。それでも感謝を捧げるコンサートはやりたい気持ちが強く、心を込めて祈る事には違いはありません。

先日、シ・オ・ミ 師匠と歓談している折にこの話に触れたら、師匠は多くを聞かず、「抱え過ぎないで、老獪でやって下さい。」と、思いやりのお言葉を頂きました。

老獪(ろうかい)」とは、「いろいろな経験を積んで、悪賢いこと」。 「老」は「歳をとっていること」、「獪」は、「悪賢く、ずるいこと」という意味です。 このことから、「老獪」は、単に年齢や経験を重ねているだけでなく、時にずる賢い手段を使ったり、うまく立ち回るために知恵を使ったりする様子を表します。(ネットより抜粋) とあります。

悪知恵やずる賢いと聞くと、どうしても語弊がありますが、うまく立ち回るために、自分も含めて全体のために有益に知恵を使えという意味で仰って下さったのだなぁと読み取り、その思いやりに心が温かくなりました。


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8年前の春に来日したボシコ会長と京都での懇親会で初めて会った時のスナップ写真(友人ブランコ撮影)が出て来ました。

その年の秋にはブランコ宅にホームステイして一週間フルスケジュールで個展やワークショップを開催してもらいました。

f:id:IshidayasunariART:20230319093439j:imageこどもアトリエ青を始めるきっかけになったワークショップ後の記念写真。

 

f:id:IshidayasunariART:20230323200748j:image2014年のセルビアの新聞

 

2015年は私にとり、大きな転機となりました。2023年は前述の問題を抱えつつも、更に2回目の大きな転機になる事は間違いありません。

今までの交流やこどもの活動全部を更に展開させる中で、小中高生の海外交流のサポートや、画家を夢見る子を応援する事業が稼働します。

長年諦めずにやりたいと思っていた事にようやく着手出来るのです。

以前から申し上げる通り、私個人が画家として大成したり、名をあげる事に何の執着もありません。そこに意味も価値もないという考えは変わりません。

私は売名行為で名前を出しているのではなく、責任者として公表しているだけですが、功名心のある輩には全く理解出来ないでしょう。