アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

逆上がりが出来た日

昨年3月に心身不調のために突如8ヶ月の短命で幕を閉じた古民家ギャラリー青。そこでは母親のキルト作品をコラボ展示しました。それもあって最初の企画展示のテーマを「マザー」という題にし、感謝すべき一番身近な存在を讃えようというメッセージを込めました。人生の恩人は数々居れど、親がいなければ私はいないという点で、絶大なる存在なのです。


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古民家から母の暮らす実家に引っ越して初めてのこの冬。82歳の母は、日課であったパッチワーク・キルト制作が、指が痛くて出来ないらしく、私に「透明水彩を習おうかな。」と言うので、私の画材を使って描いてみることになりました。

12月から一週間に一回90分程マンツーマンで指導していましたが、母曰く「水の含み加減がわからくて難しい。」との事。それは誰でも当たり前で、最初の壁だと言えるでしょう。でも、必要な画材一式を買い揃えて、とにかく練習と場数をこなすしか、それを体得する術はないと説得してコツコツとやってもらいました。

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昨年末は20数年ぶりに大雪となりました。雪で散歩にも出られない日が幸いして、絵と向き合えるのは良いのですが、相変わらず思った様に上手くいかないと愚痴をこぼしていた母。

ところが今日は「何となく上手くいったし、見て!」と上機嫌で私を呼びました。見るとふんわりと柔らかいタッチで仕上がっているではないですか! 

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これはいい絵だと私も言って、早速額装しました。鉄棒の逆上がりが出来ない子供が、ある日クルリンと上手く回転した時に「嬉しい、出来た!」という自信が芽生えます。それに勝るコツはないでしょうね。

今日の母はそんな感じで、透明水彩の初歩のコツをひとつ掴んで大喜びです。

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私も少し恩返しが出来たように思いました。今日の大喜びが、ぬか喜びにならない様に😅 これからも喜んで描いてもらえる様にしていきたいものです。