なんだか全然駄目だと思うんですけど、と人から言われる様に描いてみました。
それもそのはず、できるだけ失敗したいからです。
理論では色彩一つ取っても、色相・彩度・明度が関わります。
平たく言えば色味・あざやかさ・明るさですね。
その他、形の捉え方、遠近法、質感などありとあらゆるものが総動員されて画面は出来上がります。
私の場合、それを使いこなして見事な絵と言われるものだけは描きたくないのです。
裏返せば、何を放棄すれば愉快な絵になるのか? を反芻しています。
また絵の魅力とは何かという事と、見事な絵は違うと考えています。
1枚目が面と色彩の乱調の実験。
2枚目は線と省略の実験。
どちらも作品としては破綻しています。
失敗を目指す事でしか自らの枠を広げる事は出来ません。
但し、これらは基礎が全て出来てからの話なので、誤解のない様に。
3年前に描いた公募展用の紫陽花庭園。これを描くのは朝飯前ですし、受けも良い。
ある種見栄えのする絵。だから駄目なんです。
こういうのを平気で葬り去ることが信条です。