アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

抜きに抜く

ご依頼を頂いた星つりじいさん作 のイラストを渾身の脱力感で描きました。画面のどこにもプロっぽさやドヤ感がない世界に。でも心はあるように描こうという課題を自分に与えました。

また即興的にイメージを描き連ねて、どんな絵になるのかは最後までわかりませんでした。

f:id:IshidayasunariART:20230330184843j:image

アリさん達を最後の方に思いついて描きましたが、脚がきちんと描いてなかったり、可愛いのか怖いのかもわからない。悪く言えば、失敗しているというか下手なのに、これで腑に落ちる感じに描ける様になって来ました。

そして、ハート型は絶対にこれまで描かない事に徹して来ましたが、3つも描きました。

ハートを描かない理由はシンボリック過ぎるからですが、この絵の場合は、全体から愛情が放散されているので、ハートも溶け込んでしまうだろうと考えました。

クライアントのYさんにお持ちして「ふと目に止まると、上手いとか凄いとかよりも、ただただ気持ちが楽になる様に描きました。その為に力を抜き切っています。」とお伝えしました。

f:id:IshidayasunariART:20230402083801j:image納品した日に訪れた琵琶湖の沖島と夕暮れ

 

手を抜くのと肩の力を抜くのとでは、全く意味合いが変わります。ただ両者は表裏一体なので、肩の力を抜く事が出来ない絵描きからは時々「手を抜いている」と揶揄されますが、そういった方とは価値観が合わないので仕方のないことです。

Yさんは「絵の中にいつものおじいさんがいないね!?」と仰いました。よく見て頂いて有り難い事です。

「この絵は星つりじいさんに同化した私が描いたから、絵から抜けたんです。」と説明すると、「面白い!」とにこやかに笑って下さいました。

そして「星つりじいさん」動画をご覧になってのご感想なども聞かせ頂き、とても嬉しいひとときになりました。