ステージショー「星つりじいさん」は、最初台本を書きました。初稿、第2稿、完成稿と書き進めて、この間おおよそ構想開始から半年以上は掛かったかと思います。
映画の自主制作や演劇の自主公演を若い時分にやっていましたので、大体初稿から完成稿までこの様に3回〜4回は推敲をかさねて書き直すのは普通の事で順調な状態だと認識しています。
でなければ、妙なコンプレックスやストレスにやられてしまいますね!
「星つりじいさん」は夏休み特別企画として打ち出そうと決めていたので、タイムリミットを意識して作業したので、早い方ですね。
第2稿辺りで出演者や音響の方に見て頂く為に、絵コンテ代わりの動画を作る事にしました。仮画は30数枚を一晩で一気に描きました。自分の頭の中に渦巻いているイメージを第三者に具体的に伝えるのは非常に大事です。百聞は一見にしかず。
周りの人の意見や疑問などに応える内に自分のビジョンが明確になるのも有益です。仲間とのディスカッションでカットするシーンもあれば、追加したくなるシーンが出てきます。これは生き物として成長している証で、大変結構な事です。
それを落とし込んで完成稿に至ります。その頃には、描けるところから本画の作画に一人で黙々と取り組むのですが、本画に求めるハードルが仮画と大差ない場合もあれば、異常なほどの拘りを持ってコロッとアプローチが全く変わる場合もあります。
アプローチというのは単に画風ではなく「何を描くか?またどう描くか?」を極限まで熟考する中で生まれます。「生まれる」というより正確には「見えてくる」と言った方がしっくり来ます。
自分が腑に落ちるものが見えるまで、たった一枚を三日三晩考えて、それでも描けない時は描きません。
ここでの忍耐と諦めない姿勢が作品の出来を大きく左右します。絶対に妥協しません。
でも、5日くらい経過したら見つかります。
最初の仮画と本画を並べてみると面白く思えたので並べてみたのですが、先述の大差ないものと、アプローチに大きな違いがあるものを見比べて頂くと面白いかと思います。
この画面は、空間と時間を一枚に閉じ込めてみたいと仮画の時点で思ったのですが、本画にする時は随分悩みました。
ちなみに全ての場面を掲載していませんので、予めご了承ください。この続きはまた後日。