家にいる時は寝るか描くかの毎日。若い時の様に寝るのを惜しんで描くというのではなく、疲れを溜めない様に区切りをつける様になりました。
かと言って起きて食事をしたらパッと描く訳でもない。殆どまどろんで、昼寝したり、半覚醒状態でぼーっとしています。
しかし、頭の中では自分で書いた物語にどんな絵を当てるのが一番なのかをずっと考えています。中途半端に絵を決めると、説明的になるので、それは避けたいのです。
ぼーっとしていると、ある時描くべき画面が見えてくるのです。そういう意味で、寝るのと描くのはセットです。
これは子供たちの笑顔や喜びを表現する場面。最終イメージは人間ではなく、昆虫や虫になりました。
そうやって作画に着手している内に、子供のケンカも描きたくなり、カブトムシとクワガタにそれを投影する事にしました。頭に思い浮かべるのは子供の無限大の可能性や、今を夢中で生きる姿。それは私からすればとても透き通っているので、バックをくすんだ空色一色に単純化しました。
今日も他の場面で一枚「こうしよう!」というイメージがやっと降りて来ました。やはり、ずっとまどろんで寝ていたら見えたのです。自分をコントロールするのではなく、頭を捻らず意識しすぎずに潜在意識から湧き上がるのを待つ感じ。
ただ、これらは普段から、ものをどう見て、どう感じてという事をずっと画家としての目で対峙していないと出来ないです。私の場合は、寝ても覚めてもずっと画家だという事です。映画を観ていても人と話していても画家でいます。
こう書くと厳しく大変そうに聞こえるかも知れませんが、そうではありません。むしろ画家でない自分になる事が出来ないだけです。
この絵は原画展で展示しようと思います。