アトリエ青 Atelier Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

水彩画が出来るまで-母親の場合④-

息子から特訓を受けながら、母親が透明水彩を描くシリーズ? その④。先に今日完成した額装作品からご覧下さい。

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元々京都で暮らしていた母親は、ハイカラな場所が好きなのですが、30年近く住む近江今津はハイカラの欠片もなく、田んぼの畦でカエルが夜通しコーラスをする自然豊かで不便この上ない所です。

という訳で、憧れのウィンドウショッピングとオープンカフェをモチーフに選んだのはいいのですが、これが大変なことに。。。


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下描きに5時間掛けて、マスキング後にテーブル以外に水を打って、色を流し、木の葉の緑をボカして表現。

反対に青い鉢をシャープに描く様に言いました。


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ガラス越しの店内の雰囲気は気配のみに徹する方がいいので、何があるかを分析したり、説明をしないよう伝え、滲みだけで表現。

オレンジの植木鉢🪴を色同士を当ててグラデーションだけで丸い面を出す様に徹底してもらいました。

アーチ状の窓枠はヨーロッパならではの味を出すのにとても大事なポイントになります。私ならゆるゆるな線で描きますが、初心者はガッチリ形を把握するところから始めないと、絵が崩れるだけ。


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相当に神経を使って、母もへろへろで「頭がボーッとするわ」と半泣きになりましたが、ここまでで9日程掛かっています。

私は、これなら45分以内で描きますから、待つ忍耐も大変なもので、一緒にボーッとなりました。

次はいよいよ大詰め。マスキングを剥がして、紫陽花と折り畳みチェアーです。この調子だと後3日は掛かると思っていたのですが、マスキングを取ってから調子が出て来て、紫陽花を良い感じに着彩し、チェアーやテーブルの脚を次々と処理して、もうこれなら一気に完成する!という所で、大きな壁にぶち当たりました。

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金属パネルに刻字された「rose」の文字が、どうしても平行四辺形の枠に収まらないのです。かなり母なりに頑張ったのですが、これは流石にお手上げだと判断して、私が下描きをする事で、なんとかなりました。まだ、ちょっと文字がお辞儀をしている感じですが、許容範囲でしょう。

後は黒っぽいチェアーの脚をあえて間引き(省略し)ました。

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写真では何本も黒い線が交差しているのですが、全部正しく描き込むと、目障りになります。実際にはこれでは自立しないのですが、絵はこういったところを出鱈目にする方が面白いのです。

という事で、何とか完成! 次作は「もっと大きいサイズのを描きたい。」との事で、怖いもの知らずですが、二人三脚なので必ず描けるという保証が付いています。まあ、親子ならではの話ですね。

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