アトリエ青 Atelier Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

1000転び1000起き

前回の続きです。①独学=我流の極みと記しましたが、これは決して悪い意味ではありません。ただ極みにまで達しないと単なる我流となり、その殆どは見るに絶えない絵になります。天才とは我流の極みです。

私と個人ワークショップをしていたHさん(成人)のこの2枚は典型的な天才の絵です。私はそばにいるだけで何ら指導していませんし、する必要がありません。我流のままが良いのです。


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では、天才ではない私はどのように独学したのかをお話ししたいと思います。独学で必要なものから始めましょう。

⚫️情報 盗む(画集・原画の両方を観察する)決して泥棒ではありません。

⚫️作画 見様見真似で実践する(描く)

⚫️時間 出掛けて探す

⚫️反復 繰り返し挑戦する

⚫️工夫 自分なりの発見・発想を取り込む

私は小学生の時から画家になりたいと思っていたので、以上を黙々と継続しました。「七転び八起き」ならぬ「1000転び1000起き」ぐらいはしていますね😅 

そこに効率的な思考は全くありません。壁に当たり、失敗・挫折する。解決するまで何年も掛かる。だから身につくし、何かを得られます。独学は果てしなく自問自答を繰り返し、孤独ですが、研究者なども一緒ではないでしょうか。一見、成果が見えずに悲惨で気が重く感じられるとは思いますが、小さな発見に一喜一憂したり、自分自身ではいつも希望をもっているので、あきらめる心境にはなった事がありません。今思えば、良い苦労をしたなぁという印象だけが残っています。また自信はそれでしか持てない気がします。

箇条書きした中で、⚫️時間 出掛けて探すとは一体どういう意味なのか?と思われる方がいるでしょう。実はこれが一番大事なのですが、やりくりして時間を作り、心震わせる自然の色、風、太陽の日差し、温度などをひたすら体感するのです。散歩とは違って、画材を持ち歩き、衝動に駆られるままに外で描く。時には雨に降られたり、風が強く吹いて描けない時もあります。暑すぎて熱中症になる事もあります。それでも可能な限り出掛けて探し、身体で感じる事は大切です。

夏は背中に日傘を刺して描き、冬は防寒服を着てオムツを履いて描きました。教室ではどうしても笑い話になりますが、私は趣味で描いていないので、画家を目指すのなら、それが当たり前だと伝えているのです。

しかし、趣味で描くならそれらが出来なくても大丈夫です。それが④ カルチャー(絵画サークル含む)=趣味 です。


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iPadを使い始めた2014年からだけでも保存している画像が900枚(落書き含む)なので、子供の頃からだと累計一万枚を超える枚数を描いて来たんでしょうね。私はその殆どが独学です。これらの骨格に学校や先生から少しだけ理論やアカデミックな教示を受けたものを肉付けしつつ全体が大体出来たと思った矢先。Hさんに出会って全く先天的な個性に一蹴されたのが、とても幸せな経験です。

私はまだ彼を超える事が出来ませんが、Hさんは描くだけなのに対して、私は人に教える事だけは出来るのです。画家としては完敗ですね!