水彩画を習う、学ぶ環境として大きく6つに分ける事が出来ます。下記に項目別に整理してみました。
① 個人で独学=我流の極み
② こども絵画教室=精神育成・感性の開発
③ 美術部=部活、絵画ごっこ
④ カルチャー(絵画サークル含む)=趣味
⑤ 画塾=アカデミズム教育・美術系進学予備校
⑥ 美大・芸大=専門画家・職人育成・美術教員資格取得
※ ZOOMやYouTubeを利用したオンライン講座は完全否定の為、数に含んでおりません。
この様にサクッと説明すると、色々と語弊があるかとは思いますが、この世界を覗いたことのない方や、模索している方にとってはある程度の指針になるかと思います。①〜⑥それぞれに更に細分化されていますし、指導の方向性の違いや癖などがあります。それを意識すると複雑過ぎるので単純化しています。またグラフィックデザインやデジタルを使ったアートは別枠で捉えて下さい。私が関わっているアナログな平面の絵画、それも透明水彩だけに絞って、ここではお話しします。
意外な事に日本では③⑤⑥できちんとした透明水彩を学べません。実技試験にはデッサンと着彩画があり、そこで水彩絵の具を使用しますが、まともな透明水彩ではありません。何というかガッシュと透明水彩のどっちつかず、ごちゃ混ぜです。そもそも⑥に進学しても透明水彩の学科はありません。日本画か油彩画(アクリル含む)に分かれるだけです。
これにより美大・芸大で教職課程を修了し教員資格を採った学生が学校の美術教員として中学や高校の美術の授業をし、美術部の顧問に就任しても、透明水彩を教えられるスキルを持っていないのです。
私は③+⑤+⑥によりデッサン、クロッキー、油彩、ガッシュを学びました。でもドローイングと透明水彩はそれらに+①の独学です。③⑤⑥が決して無駄ではなく学びが多かった事は確かですが、絶対的なものではないという事を知って頂きたいです。
透明水彩を学ぶにあたって①以外の方法は、案外④の一部にだけ潜んでいます。残る②については本格的にそんなに執着しなくてもいいでしょう。
でも④のしかも一部だけとなると、あまりに心許ないですね。なので私の携わる④は、しっかりと透明水彩を教えますし、②でも、意識して使い分けています。
学校の教員ではない私が、透明水彩をもっと振興させて絵が好きな子供に伝授したいという想いが先月の記事https://yasunariart.hatenablog.com/entry/2022/02/05/011301になったのです。つまり救済しなければいけないのが③となる訳です。それと⑤⑥に行っておきながら言うのも何ですが、正直なところ学校の美術教員にならないのであれば、お金が勿体ないです。美大は何を一番優先的に考えているか?それは経営です。資本主義社会であれば当たり前の事ではありますが、あまり盲目的に目指さないことを提唱します。
本当の教えにはほとんどお金が掛からないとこに行けば行く程、巡り会えます。③の対象となる多感な思春期から二十歳未満の絵描きを発見するプロジェクトをどの様に開始するか、今秋までに糸口を見つけたいと思います。最後に絵描きはなるのものではなく、するものです。