アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

Stay Gold

このところ仲間と唄ったり、変な絵本を描いたり、こどもワークショップで遊んでばっかり。年末に頂いたイラストのご依頼が数件あるのですが、一向に取り掛かれません。例によって納品希望日は過ぎて行っております。大変申し訳なく思いながら、ここに来てまたコンサートに出演の為、歌の練習に入ります。

1983年公開のアメリカ映画、「アウトサイダー」(The Outsiders)」の主題歌として有名なスティービー・ワンダーの「Stay Gold」に挑戦しようと思います。

本作は「ゴッドファーザー」で知られるフランシス・フォード・コッポラ監督作品です。世の中で、はみ出し者扱いされる不良グループ、いわゆるアウトサイダー達の群像劇ですが、出演者の中には今やトップ・スターのトム・クルーズが初々しい顔で不良少年の一人を演じています。

「Stay Gold」はYouTubeで聴けます。 https://youtu.be/S5GtdYg-5_w


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このポスターも手描きイラストレーションを採用しており、最高にカッコいいのです。ネットで見つけた左の原画の色は実際のものか定かではありませんが、線路の照り返しは洗い(抜き取り)画法を駆使しています。バーニー・フュークスの画法と、日本の生頼範義(おうらいのりよし)の構図の良いところ取りでミックスされており見惚れます。

公式ポスターをよく見るとマット・ディロンの顔(夕陽の上)の向きが変更されていますね!折角の線路は隠れているしで、絵描きから見ると勿体ない気持ちになります。

冒頭ででっかい夕陽のビジュアルに重ねて「Stay Gold」が流れた瞬間に心が鷲掴みされた事を鮮明に覚えています。この時私は19歳の美大一回生だったので、物語の主人公達とは似たような年齢だった訳です。荒くれた生活ながら今を生きている映画の人物に比して、親のすねをかじって、ぬるま湯に浸かった自分の生活を、恥ずかしく思った覚えがあります。

それはさておき、何故今「Stay Gold」を唄うのか!? この映画に出てくる主要人物は死にます。それと50歳代に3年間就業していた青少年の自立援助ホームで、出会った若者が重なるからです。3年間の間に男児一名は自死。施設から逃亡して行方不明になった男児もバイク事故で植物人間になりました。他にも蒸発した女児。音信不通になった男児など、関わった者の殆どの青少年と疎遠になってしまいました。

建設的な人間関係を押し付けると反発する様な人間不信、自虐行為を面に噴出するから喧嘩・非行が存在すると知りました。その中で私の様な絵描きのオッサンは、お互いに会ったことがないタイプなので、案外上手く懐いてくれる時もあれば、相互理解に至らない事も山積みでした。

でもある時間を共にしたことは現実です。一緒に食事し、キャンプではしゃぎ、時に厳しく叱り、時になぐさめ、時に反抗され、信頼関係が出来たと感じたら破壊を繰り返す。そういう事でしか生きて行けない彼ら彼女らの傍らにただいるしかない。

時に自分が無力のようで、向こうの気分で当たられる役目を果たすのが、自立支援員の大事な仕事でした。先生ではなく失敗を容認するただの大人を貫く事が大事でした。但し、失敗の責任は当人が負います。そして、個人的な感情では怒ることは絶対にせずに、解決方法を一緒に考えるのです。

通常ならなかなか出来ない経験が出来たかけがえのない時間でした。でも救えた筈の命をみすみす失わせてしまったり、植物人間になった子に捧げたいのです。自分の癒しのためではなく、彼らとの関わりに感謝して、一見どうしようもない人生だったかも知れませんが、必死で輝いた一瞬、弾けた笑顔を覚えていること。

それは決して色褪せないという想いが「Stay Gold」という歌の中に全て詰まっているのです。また「アウトサイダー」とはそういう映画です。

イラストの締め切りを破っても、これを唄わなければ先に行けない。そういう不器用さがADHDの長所であり短所ですね。

2022年2月20日(日) 14:00 浜大津 カフェ アンド・モア にて 

Stay Gold

Seize upon that moment long ago
One breath away and there you will be
So young and carefree
Again you will see
That place in time...so gold

あの時の昔のことを思い出そう
ふっと一息ついたらそこには昔のきみがいるだろう
とても若く 無邪気だったね
そして 今だったらわかるだろう
その時のその場所が・・・とても輝いていたことを
 
Steal away into that way back when
You thought that all would last forever
But like the weather
Nothing can ever...and be in time
Stay gold

音もなく静かにあの頃に戻ろう
きみはすべてのものが永遠に続くと思っていたね
でも天気が急に変わったりするように
変らないものなど何もないんだ
・・・そのとき輝いていたくても


But can it be
When we can see
So vividly
A memory
And yes, you say  
So must the day too,
fade away
And leave a ray of sun
So gold

僕らが見ることのできる
鮮やかな思い出たちも
輝きを失ってしまうのか
そして きみは言う
太陽は必ず沈むもの
ただ、そのときには
ひとすじ残す陽の光は
とても輝いているんだ・・・


Life is but a twinkling of an eye
Yet filled with sorrow and compassion though not imagined 
All things that happen
Will age too old 
Though gold    
gold, gold, though gold ...

人生は瞬きする間に過ぎていく
悲しみと思いやりに満ちている想像できないだろうけど
すべてのものごとは
すぐに過ぎ去ってしまうんだ
たとえいま輝いていても
光を放っているものであっても
いつまでも輝いていてほしい
輝きはそのままでいて・・・

   日本語訳 by 音時