寒波が列島に訪れて、家の庭は白一面となっています。年中部屋にはステンドグラスを幾つも灯している私ですが、冬はセルビアに卸してコラボしたガラス絵ランプを思い出してほっこり気分に。
ゾラン・パニッチ、アレクサンダー・マチッチ、石田泰也作「カレメグダンの思い出」
購入を考えたのがガラスと陶器で出来たクリスマスツリー🎄 オーナメントは焼き物に着彩しています。セルビアで一点物で販売していたこのランプを別注したところ、日本に送るには余りにも危険なのであきらめました。薄いガラスの部分が輸送中に割れる恐れがあるとの事でした。
ゾラン・パニッチ、アレクサンダー・クチナ作
こういった嗜好品は商売上作らねばなりませんが、とても楽しんで作っていることが伝わって来ます。そして案外高度な技術と経験がなくては出来ません。これを作った陶芸家のアレクサンダー・クチナが近作の写真を見せてくれました。これは凄いです!普段から作陶している土でトルソーの様な彫刻にも見える婦人像。髪のとろける様な柔さかさは、ケーキのモンブランの様にふんわりとムース状に見えます。
リアリティーの強い作品は初めて見ましたが、静かでふくよかで、穏やかなトーンはいつも通りです。作家というのは「仕事で遊んでなんぼ」なところがありますが、たまに自分の観察力や表現力を客観的に確認しておきたくなる時があります。
私がそれを絵で実行した時がこれです。
これが基盤としてあると、安心して遊べる絵が描ける様になります。
こういう作品を沢山発表して来たアレクサンダーも、若い頃に相当なデッサンやアカデミックな彫像を作ったのだと思います。そういう自己の振り返り行為として婦人像を作り、そしてまた遊びに出掛けるのかも知れません。
その直後に見せてもらった写真がこちらですが、これは首が長く、額から髪に掛けてのフォルムが広がっています。頭頂部が省略されて開口したままというのが魅力的です。私が軽く想像しているどころではない境地に行ってしまうのかも知れません。
予想を上回ってもらえればもらうほど、勉強になります。アレクサンダー・クチナはベオグラード郊外の村に工房と家族が住む家があります。遊びに来てくれと言われたまま、行きそびれたのですが、彼の仕事を直に見せてもらいたいと思いました。
向かって左からアレクサンダー・クチナ、マテヤ君、私、ゾラン・パニッチ
私たちアートグループOAKは、諸事情で解散を余儀なくされましたが、芸術家同士としてリスペクトする姿勢は何も変えたくないです。そして、この様な婦人像は日本では絶対に見られない事は間違いないのです。舟越 桂さんは別格として。