今夜のMINI AKT vol.7 オープニングを心待ちにしていると、また6年前に訪れた村を思い出してしまいました。ゼムンのボシコ邸から郊外へと車で30分も走ると街でもない山でもない穏やかな丘陵地に入りました。田舎道を迷って1時間ちょっと走ったところに知人の家があり、一緒にランチを頂きました。
一つの丘が彼女の敷地だという事で、放し飼いされた犬と私は夢中で遊び別れを惜しみました。


帰国後に彼女の家を描いたのですが、一作目は色彩を間違えてしまい、完全な失敗作になりました。いつも通りの手順で原色を塗りたくって洗ったりしたのが駄目でした。新たな体験、空気、人々に触れたのだから自分の中で何かを入れ替えないといけなかった事を描いてみて気が付きました。


間を置いてもう一度心で描くと空が黄色になりました。感じた事が色彩に出せました。自分で思うに、左は悪い癖で、右の絵は個性だと捉えています。この一枚は、自分でも初めて描けた絵に見えました。犬も枯葉も、ランチの時間も入っています。そして丘から見下ろす村の眺めも入っています。
悪い癖でも、描き切ってしまえば、捨てる事が出来る。そうする事で本来どう描くべきだったかを知る事が出来るのです。失敗は必然なので、恐れない事ですね。