アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

来年からのこども企画

アートをツールとした子供の精神育成を目指して立ち上げたこどもアトリエ青は、発足して6年目に入りました。

来年以降は活動を少しテコ入れしたいと思い、これまでの活動を振り返ってみました。

これらは活動の一部である事と時系列が自分でもわからなくなっている為、前後している部分があります点をご理解ください。

それでもこどもアトリエ青の概要として参考にして頂けると思います。

私がこどもアトリエ青を立ち上げるきっかけは、子供と時間を共にして発想の柔軟性をつぶさに体感し、絵描きとして学習する事も目的のひとつでした。

予想していなかったのは、それまで関わっていた某子供造形教室で講師をしている時から、子供が直ぐになついてくれる事でした。

親の顔色を終始気にする子供は少なくありません。でも私には家庭では見せない顔を安堵してポロッと出すわけです。

私は父としては無理でしたが、講師としてなら絶対に自分本位の感情で怒らない代わり、躾の為ならきっちり叱る事を徹底出来ました。

 

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セルビアの小学校で1日だけ授業をさせてもらうきっかけを頂いた事で、それは確信的になりました。

先の安心感も影響してか、子供が表現の過程で自分の殻を自然に取り払ってしまうのです。

当然個人差はありますが、海外でも無理なく子供と打ち解けるという事が自信に繋がりました。

私のワークショップは授業という概念から離れて、遊びになる様に工夫しているせいでもあるでしょう。リラックス感が重要です。


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この時の動画はYouTubeでもご覧になれます。https://youtu.be/CIafiZBXTpQ


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でも、海外の子供同士が交流を重ねる事で、世界観を広げられればという願いは実現するのに苦労し、私の一人相撲の様になった時期もありました。


こどものまちおおつには3年間関わり、他の子供対象の活動団体さんと交流する事で、創意工夫や自分からは出てこない趣向などを学習しました。

イベント自体は秋に2日だけの開催ですが、毎月一回の定例会議があり、それもほぼ休まずに時間をとりました。これも修行として効果的でした。


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「自己肯定感」という言葉を近年はよく耳にしますが、手作りの絵や工作にはその子の心がこもっており、表現することによってそれを客観視する作用があります。

こどもアトリエ青のこだわりは、画一的な枠に収まらない自分の世界観を発見し、そこを肯定してあげる事に重きを置いています。

 

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このかわいい写真は、7年以上交流が続いているTちゃんの小さい頃の姿です。

自分で作った工作が本当に大事そうです。実にいい瞬間です!

先ず「自己肯定感」がなければ、精神的に余裕も生まれないので他者を敬う(気遣う)のは難しいと思います。

育児放棄(ネグレクト)・幼児虐待などの凄惨な事件は絶えませんし、簡単に片付くものではありません。

一方で愛情過多や過干渉・過保護も問題です。

私は世間一般の風潮として自己中心的思考、さえも「自己肯定感」と履き違えているのではないかと危惧する時があります。

特別扱いをするのではなく、いいところを褒めてあげると良いかと思います。


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広い視野を子供の頃から養って、閉塞的な家庭環境であったとしても、そこだけが居場所じゃないと思えたり、視点を変える事が出来るだけでも最悪の方向に行くのを免れるのではないか? 

こんな事は私の背負い切れることではない事は重々理解していますが、何か微力ながら出来る事からして行きたい。

「こどものまちおおつ」が縁で知り合いになったホリユキエ先生とも一緒に何か出来ると思い、子育て奮闘中の親御さん対象の講座を打ったりもしました。


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エシカルな暮らしを提唱するLINK+しがさんの衣類の交換イベントエクスチェンジでは、品定め中のお母さんを待っている子供が楽しく時間を潰せる「リサイクルエコ・アート」のブースでちびっ子とリサイクル生地やボタン・リボンで工作しました。

 

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こうなると絵でも何でもないのですが、私は全く普段のワークショップと変わらない感覚で臨めました。

もう画家だとか自分を決めつける必要性を感じなくなって来ました。

時間潰しの筈が、子供自身が夢中になってしまって、出来上がるまでお母さんを待たせる場面がよく起こりましたが、非常に好ましい状態ですね。

 

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このイベントは、他の活動で忙しくされており現在はLINK+しがさん自体が休止されてしまいましたが、それまでの4年程は毎回参加させて頂きました。

この頃に私は託児ワークショップに興味と可能性を持ち始めました。

 

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大手スーパーの1日イベントとして出張ワークショップをした事もありますが、客寄せ目的なので内容は良いものにはなりませんでした。


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ホリユキエ先生にはヒヨコ🐥になって一緒に手伝ってもらう様になりました。

そういう展開に意味を感じました。

 

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2回目のセルビア渡航でまた授業をさせてもらえました。

この時にやっと日本の子供の作品を展示させてもらえました。

 

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中学校(セルビアは、小学生は8年制・中学生は4年制で高校はない) では書道のワークショップを持ち込み企画で提案して、上級生は好きな漢字を一文字。

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下級生には自分の名前をカタカナで書いてもらいました。

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この子らは既に16・17歳なのでこどもアトリエ青の活動として括るのは違うかも知れませんが、全年齢に応じて何でもするのがポリシーです。

 

画家や音楽の先生がいるアート塾でも日曜日に特別講座を開催してもらいました。

ここには口数が少なかったり、表情が乏しい子供が結構いました。私自身が子供時代はそういうタイプだったので、どの様に接したら良いかは理解出来ました。

対話を強要しないのが一番です。ただ目配りだけはきちんとしてあげる事です。

しかし、中でも極端な例として赤ちゃんの時から絵や音楽は下らない娯楽の一環だと考える厳格なお父さんに、勉強以外は全て取り上げられてしまった為に、失語症と重度のASD(自閉症)になっている男児がいました。


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医療機関の勧めでお父さんは、この塾にその子供を通わせる事で回復を願う様になり、きちんと意識改革されたそうですが、芸術が如何に人間たるに必須の要素であるかを物語るエピソードです。

その男子は私のワークショップでも色で覚醒した表現を見せた瞬間、同時に塾の先生が「今、いい感じに覚醒しているわ!」と口にしました。

アートは言葉を超越すると感じた瞬間でした。

小学校でのワークショップでは人懐っこい子供が一杯いましたが、万国共通で自閉や、そうでなくても自己表現を苦手とする性質であったり、人見知りはいるのが当たり前だと学習しました。


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以降の活動ではホリユキエ先生の専門分野である「キッズコーチング」や「リトミック」などとコラボレーションをする事で、子供の精神と身体の発育の相乗効果を後押し出来ないだろうかと模索するイベントを共同主催しました。


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特別な事や特技がなくても日常と少し違う空間、知らない人もいる「公の場」でちょっとでもいいからポーズが取れるかどうか!? 

些細な頑張りを愛でてあげる。それでも充分何かがその子の中で弾ける。

そんな企画も盛り上がりました。これなら1・2歳でも参加出来ます。


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子供の身体の潜在能力を声掛けでサポートしたら、思っているより高くジャンプ出来てびっくりする。

手で引っ張り上げているのではなく、安心の為に添えて、適切な声を掛けてあげると子供が能力を発揮する姿には、私も驚きました。


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音楽に乗せてリトミックをしてから絵を描いたりもしました。

 

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印象的だったのは「手足で描こう」というワークショップです。

水遊び、泥遊び、私の世代なら砂場でも平気で遊んでいましたし、舗装してない道路の水溜りは、わざわざじゃぶじゃぶ足を突っ込んでいました。

土を掘り返して死んだ虫を埋めたり、触覚的な感覚が視覚・聴覚以前に重要な成長期の通過儀礼としてありました。

時代は変わって非衛生的だからとか、服が汚れるからとかの様々な理由で封印されて「タブレットやゲーム機でばっかり遊んでいます。」と嘆かれる方が多いですね。


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子供は案外何も変わっていないなぁと思ったのが、この企画でした。

許されるなら、タガが外れた様にべちゃべちゃ、ぐちゃぐちゃにしたい。そんな衝動を感じました。

最初は「服に着いた」とか言ってる子が尻もちを付いたら、お尻でスタンプして大喜びに!絵の具がパンツに染み込んだと大笑い!

遂にはオムツ姿で放心の体になっている子までいました。

 

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これが芸術なのかアートなのかは、最早どうでもいいのです。

強いて言えば「子供の鬱積の爆発」かと思います。

まとまらない、模範がない、自分の枠を決めない。時間を忘れるほど夢中になって何か合法的な破壊をする。

私が絵を描く時にその様に臨みたいと思う事を、子供はいとも簡単にやってのけます。

機会を与えてあげれば良いのです。


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福島の子供達を夏休み中に滋賀に滞在してもらい、身体に良いものを作って食べてもらい、思い出の体験をしてもらう活動をされているびわこ1・2・3キャンプさんにも出張ワークショップでお邪魔しました。

思いがけなく他府県の子供と交流出来る貴重な機会でした。


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カフェ・タイムさんでのワークショップ
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昨年からSDGs協働事業の一環として夏休みのワークショップ。

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託児ワークショップもご依頼が増えてきました。


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明日はクリスマスカードを作るワークショップですが、これもSDGs協働事業に含まれます。

この様子はまた追ってご報告できればと思っています。


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ザッと振り返ってきましたが、多人数を相手にする活動に関して市民活動団体やNGO・NPOなどへのボランティア講師として関わる機会が増える一方で、自ら大掛かりなイベントは開催せずに、託児ワークショップ(有償ボランティア)を近年は身の丈に合わせて続けています。

どちらもやれば良いのですが、もうちょっと小回りの効く運営方法で気軽に月に1回程度のペースで、継続的に各種ワークショップを色々選択肢をご用意して体験して頂ける機会を作ろうと思います。

第一回目

2022年1月30日(日)

午前の部 9:00〜12:00 小会議室

午後の部 13:00〜16:00 中会議室

明日都浜大津一階 大津市市民活動センター

絵のワークショップ、リトミック、絵本の読み聞かせ、ママ・パパ対象の子育て講座(託児付き)などで検討しています。詳細は当ブログで後日発表しますので、ご興味をお持ちの方のお問い合わせやお申し込みをお待ちしております。お問い合わせは当ブログのカテゴリー項目内から受け付けております。

 

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