アトリエ青 Atelier Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

公開講評⑥

各受講生の作品をブログで講評するのは初めてですが、今回はチラシに出展者を明記しましたので、一人づつコメントをして行く公開講評その⑥です。

寺嶋夕美さんの左からタイトル「予定のない午後の時間」「スモークツリーの下で」「あ・の・ね・・・」3点。これらの特徴は空間と時間が主題になっているところです。これこそが作者の個性であり、自然体で作画に臨んだ時、事物(モチーフ)を描いていたとしても、画面から流れてくるのは空間と時間なのです。

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時間に追われたり、急かせかした気分から開放されていないと、こういう絵は描けません。裏返せば何かに追われていても整理出来る能力があれば描ける訳ですが、これが私には出来ません。プロを自称していても出来ないのは、障害のせいだと片付ける様にしていますが、元来趣味として水彩画と向き合うには理想的な間合いと言えます。

「予定のない午後〜」は一切のレクチャーを受けずにご自身で描いて来られましたが、イラストレーターの資質が垣間見られ、今後の展開が楽しみな一枚です。「スモークツリー〜」は画面の奥が白い壁で塞がれており、通常ならば、空間を圧迫して狭い印象になるのですが、無人のベンチに誰もいない事で人物のいた気配、もしくはこれから誰かが腰掛けるのでは、、、等々の見えない人を想起する事で時間が流れるため、風通しのよい空間に感じるのです。

ぬいぐるみと対話する子供は、写真が出来上がり過ぎていたので、絵にする場合に写実かイラストにするかで迷いました。でも、この中では一番習い始めに近い作品でしたのでオーソドックスな透明水彩の技法を試してもらいました。逆光は透明水彩の魅力が出し易いモチーフですが、難易度は非常に高いです。それでも丁寧に仕上げておられる事に好感が持てますね。

この他にも数点小振りな作品を出展されていますので、会場でご覧下さい。

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