アトリエ青 Atelier Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

公開講評①

各受講生の作品をブログで講評するのは初めてですが、今回はチラシに出展者を明記しましたので、一人づつコメントをして行こうと思います。

先ずは作品は村田雅子さんの3点。画面向かって左からタイトルが「晩秋の光明寺表参道」「秋の奥入瀬渓流」「映画「愛を積む人」ロケ地(北海道 美瑛)」となります。

f:id:IshidayasunariART:20211013235450j:image

村田さんは教室の中ではまだ年数が浅い方ですが、とても明快で、気を衒(てら)わない画調が特徴です。下描きをチェックして、おおよそどの箇所から彩色して行くかは毎回指示します。描かれたことのある表現は再度レクチャーすることはなくても、覚えておられるので、初めて着手するモチーフを主にレクチャーで描いてお見せするくらいです。

光明寺参道の紅葉と石段の落ち葉は、同じ色にしない事。原色を多用した紅葉を活かすために、常緑樹の緑を少しアンダーにする様に伝えました。そうする事で全体がケバくなくなります。木の幹は敢えて白っぽく抜いてしまうと軽快になるので、その様に。奥入瀬渓流は何と言っても水が難所です。岩に当たって砕ける飛沫はマスキングを使いましたが、川は水の厚みを出した方がいいので、実際より透明な感じにしたくて、水を塗ってから数カ所軽く色を滲ませるだけにしました。

動きはありますが、ご大層な重量感がなく抜けた感じに仕上がっていますね。渓流は写真だとシャッタースピードを落とす事で、水流の軌跡を表現しますが、それ自体が人工的な感じがして絵には合いません。

私はその場で肉眼で見て描いた様に仕上げる方を目指すタイプなので、受講生にもその様にアドバイスします。写真に近ければ優れた絵だという尺度で素人ほど解釈しがちですが、絵としての面白さを引き出すべきです。

北海道の美瑛は元々写真の構図が単調なのと、まだ習い始めからそう日が経っていない頃の作品なので、特筆する様なコメントはありませんが、他の2作はいきいきした絵で良いと思います。