アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

かけがえのない存在

10月19日に閉幕した国際水彩画交流展「 Memorial MDBj12 Watercolor 25 x 25 in Japan」のクロージングイベントを撮影し、セルビアの画家故ミロシュ・ジュリチコビチ氏に捧げる動画をセルビアに送っていました。この動画はパーソナル(個人的)な意味が詰まっている為、日本では公開していなかったのですが、ある事がきっかけでYouTubeにアップしました。

f:id:IshidayasunariART:20211002130920j:image

イベントのリハーサルや展示会の模様を含めて7分程度に編集しています。ドキュメンタリーではなく、またライブビデオでもありません。かと言ってダイジェストでもなく、先述した通り、捧げる思いを動画でコラージュしたものです。一番喜んでくれたのはミロシュ夫人、ボシコ会長のお母さんでした。お母さんには何回かお目に掛かっているのですが、そのことが私はとても嬉しく思いました。

f:id:IshidayasunariART:20211002130941j:image

私の日本の友達が、一途な私の想いに寄り添って、一緒になってセルビアの友達へメッセージ送ってくれた。それはふたつのリングが交わる感覚です。親友の腹話術パフォーマー、ニッシャン堂による演目には腹を抱えて爆笑しました。

f:id:IshidayasunariART:20211002130955j:image

私のプロデュース企画なのですが、その内容はほぼ知らない状態で出演者に委ね、この日一回しか出来ない事を共有する。それさえ上手く行けば何も問題ないのです。なので、なんのプレッシャーも感じず、自然体でこのイベントを私自身も楽しみました。

ところが、この後三日間ぐらい体調や精神に疲れが出て、ピリピリした状態になりました。力んでないけど、エネルギーを放出したからかと思います。出演者も同じような事を言っていました。ただ疲れたのです。それだけ真剣に関わってくれた事に感謝の気持ちで一杯です。

f:id:IshidayasunariART:20211002131002j:image

動画はこちらでご覧になれます。 https://youtu.be/e-kBAk9mfqo

 

シロカスターザは”国際芸術交流協会”と、格式のあるような冠を付けてはいますが、実のところ日本で言えば、本当に小さなサークルか団体です。メンバー各自が出来る力を持ち寄って運営しています。だから権威至上主義でもないし、プロアマの垣根がないのも良いと思います。入選はあっても入賞システムはないし、日本の協会でいう理事や常任理事、理事長などのピラミッド型の組織構造には今後もなり得ません。ここが私の好きなところですが、主張の強い私の事ですから、色々と意見したい事も多々ありつつなんとかやって来ました。

世話人として日本窓口を7年やって来ましたが、私はシロカスターザのメンバーではなく、あくまで日本にいる一人の画家であり、一歩引いた立ち位置にいました。セルビア渡航した際も、個展では海外からわざわざ来たゲスト(客人)扱いであり、メンバーとして扱われる事はありませんでした。私にとってそれは一向に構わないのですが、最近お知らせしたベオグラードで開催中のパンフレットにあるように気付かぬ内にメンバーになっていました。

f:id:IshidayasunariART:20211002200607p:image

セルビア語で「akademski slikar」というのは、「アカデミックな画家」「専門家としての画家」という様な意味になります。

気がついたのは会長ボシコ氏から次の様な内容のメッセージが届いたからです。「これまで展示会の実現に尽力してくれた実績に配慮して、シロカスターザメンバーに加入してもらった。」という様な説明でした。これは本当に光栄な事で、思いもよらなかっただけに素直に喜びました。肩書きが出来たという意味ではなく、私を外せない存在・友人として迎えてくれた事が嬉しいのです。

立身出世や、他人以上に裕福に暮らすのを目指すと空虚で孤独な人生が待っている事を知っている私にとり、かけがえのない存在という感覚を互いに共有出来る瞬間にどれだけ立ち会えるかが心を満たす全てであり、またそれを大切な仲間たちに支えられて成し得る事に感謝して、自分が何が出来るかを考えながら実行して行く。先の動画もそういった行為の一つの形でした。シロカスターザメンバーになった事から、動画も公開しようと思うに至りました。なぜならかけがえのない存在で満たされているからです。

 

《追記》10月3日

『シロカスターザは”国際芸術交流協会”と、格式のあるような冠を付けてはいますが、実のところ日本で言えば、本当に小さなサークルか団体です。』と先述しましたが、パンフレットに記載された”likovni savet”を調べてみると、英語で”art council”と出ました。私の知識にない文言なので更に調べたのが以下、ネットよりの抜粋となります。

「アーツカウンシルは文化・芸術の環境整備に携わる専門家らによる第三者機関を指し、公的な資金を提供する文化・芸術事業を審査・決定します。 発祥の地は英国です。 政治家や行政官ではない、イベントを調整する専門家らが判断する点がポイントで、支援先の活動をフォローし、成果を評価する役割も担います。」

なんだか全容がよくわからないのですが、そういう事でして、小さなサークルか団体とはニュアンスが違いますね。いつからそうなったのか?そんな事も知らないまま関わっている私にも問題ありですが、今一度よく確かめておきたいと思います。