アトリエ青 Atelier Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

ガッシュの風景画

私が普段アップしている水彩画は、殆どが透明水彩(Watercolor)です。中学生で油彩画を始めて、透明水彩を独学で始めたのが30代半ばです。それまでの水彩画は不透明水彩(Gouache・ガッシュ) で描いていました。

透明水彩不透明水彩の違いをひと言で説明すると、白絵の具を混色するかしないかに尽きます。小学生の図工や中学生の美術の時間に日本人が描いている水彩画は中途半端な不透明水彩です。しかし、その際に学校では、ただ「水彩」としか呼びません。

美術部にいてさえ厳密に透明水彩不透明水彩の違いを伝えてくれる環境が日本にはありません。私の場合は、美術系の大学で油彩画を専攻しましたが、その時点でも教授や講師から水彩には2種類ある事を教えてもらう事はなかったのです。

ただ、漠然とどうやら世の中には白を使わない水彩が存在するなと感じていました。これ以上興味のある方はネットで調べてもらう方が早いと思いますが、これだけは言っておきたい事に、白を混ぜれば色彩は明るくなりますが、彩度は低くなるという現象が起こります

珍しい写真を発見しました。

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これは不透明水彩ガッシュ作品で、私が透明水彩を独学で始める以前の作品です。

空の雲、木の葉の当たる陽光、家屋の屋根の照り返しなどにふんだんに白絵の具を混色しています。アマチュアの方は油彩画に見えるという方がいるかも知れません。現場で写生しながら西陽が傾き、それによって光の当たる箇所の変化を捉えています。それはガッシュだから簡単にやれる事です。

しかし、全体に色が退屈で、特に影の部分はただただ黒くて、いただけません。これも好きずきだとは思いますが、これをもし透明水彩で描いたら、別物の風景画になるでしょう。

白を混ぜれば色彩は明るくなりますが、彩度は低くなるという現象が起こります。と先述しましたが、逆に言えば白を混ぜなければ彩度は低くならないが、どうやって明るさを出すのか?を私の教室では透明水彩を学ぶにあたり、噛み砕いて理論と実践でマスターしていただける様に配慮しています。その意味でも今日ご覧になった透明水彩でない絵は非常に参考になると思います。