昨年、ステンドグラス店を完全撤退してベオグラードに暮らす家にアトリエを移した友人ゾラン。隠居生活しながら作った近作(写真)を送ってくれました。それを見て「ランプも灯らないし、質素だし、商品には不向きだし、一体どうしたんだ。これじゃ、お爺さんの趣味じゃないか」と冷ややかな目線を送ってしまったのです。しかし、本当にそうでしょうか。。。
彼は日本からインスピレーションを得たと言います。わたしには意味不明です。
私達は一緒にアートグループOAK、そしてアート&クラフトを立ち上げた果てに、色々な裏事情が重なり、彼の引退を節目に全て幕を降ろし、活動を休止したのですが、それはまるで蝋燭の炎をパッと吹き消した様な数年の瞬きでした。
2016年の展示会準備中のゾラン
コラボ作品をセルビアで限定公開した様子
これまでゾランとの逸話は数知れず投稿して来ましたので、繰り返しは避けますが、これはゾランが作りたくて作ったものでしょう。
ニーズやインテリア性は度外視して、ただ思うまま作った。
だから癖もつよいですが、彼の人柄がそのまんま反映されています。意思がはっきりしているけれど、柔らかい。そんなゾランそのものだと。
それは素人の趣味ではなく、玄人が趣味でつくった味です。
想いを交換しては、私はまたセンチメンタルになって泣いてしまうのでした。