アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

失敗

今夜衝動的に描いたのですが、途中から違和感がムクムクと湧き上がって来て筆を置きました。筆を置く事はこれまでほぼなく、記憶もないのです。駄目と分かっていても最後まで描く様に心がけて来たのですが、それはある種、自虐的な行為でもあります。最近アップした年末年始の落描きの絵は、気負わないのが売りなので、失敗も成功もあまり無縁です。最初から作品だとは思っていないからです。

でも「よし作品を描こう」と臨むときは、いつも自分が見た事のない絵が描きたいという欲求を持ちます。

それは果てしなく気が遠くなる目標ではあるのですが、怖くはなく、わくわくドキドキします。何故かというと、不可能に近い事だからです。それに挑戦するのは清々しいものです。

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しかし、今日の様に途中で止める場合は、何が駄目なのかに気付いた場合です。

モチーフの空気感は静謐なのに、建物が踊っています。ズバリ!違和感はそれです。空は空虚でもの寂しい情感が出ているのに、川面は暖かく大らかなタッチ。家屋はもっと幸福で軽快。しかし全体的にこれでは統一感がなく、バラバラなのです。

バラバラでない過去の逆光や反射作品としてこの様なものがあります。仮に①〜④としましょう。

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①は10センチの小品ですが、軽快です。②は逆光のハレーションを器用に表現しています。③はセピアの追憶写真に差し色が効いています。④などは、一番プロっぽいのかも知れません。

これらに共通している点は、まとまっているという事です。しかし、今でも面白いと思うのは①だけです。①は上手くないのが良いです。他はいつでも描けるので描かない事にしています。で、今日の止めた作品は、①と④の作風がケンカしながら同一画面に存在している感じがします。これは拙いです。

次に①〜④のどれでもない、腑に落ちる作品にしてみたいと思います。

 

それらのヒントは去年描いた唯一のお気に入りである、この作品にあります。

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本作はそんなに素人には人気がないのですが、相当な境地に到達しています。自画自賛です(笑) 先の①②③④は通過儀礼だったかと思える程です。

この柔らかなで溶ける様な画風はもっと推し進めねばなりません。

ああ、考えただけでドキドキします。失敗はどんどんしたら良いのですが、積み重ねる毎に内容を変えて行ければ尚更良いですね!