アトリエ青 Atelier Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

笑う家と走る家

Hさんがどうしても描きたいものがあると言いました。聞くところによれば、先日描いた踊る家の別バージョンで、更に脚があって、ウサギの耳もあるとの事。彼が気の赴くままに描いてくれたのは、最早家ではなく、謎の昆虫の様な体裁を帯びているのですが、とにかく大笑いしているのが良い!

大人が澄ました絵は掛けても、笑う絵、踊る絵なんて描けない。

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ならばと、今度は私が家感を残したキャラクターを描いてみました。この家は笑っていますが、Hさんの大笑いとは違って、やってはいけない事に手を染めて逃亡している姿に見えます。踊っているのではありません。

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その証拠に、後ろからパトカーが追い掛けて来ます。へらへらと笑う不気味な走る家。のろのろと追う間抜けなパトカー。

描き終わってから、このキャラは夢の中で強迫観念に苛まれる私自身だと気が付いたのです。そもそもパトカーというのは、社会的な権力の末端を意味しており、正義でもなんでもないのですから、結局、この二者は同じ罪深い存在。そういう理由で自己を正当化しながら生きているという真実を読み取りました。

Hさんの絵は心の奥のひだに直接作用する強力なパワーを秘めています。