アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

紛れもなく死生観

アトリエ青の新拠点となる貸家への引っ越し準備が着々と進んでいます。相変わらず自粛の意味が全く理解出来ないので、コツコツと自由に動いています。成り行きで古民家ギャラリーを運営する事になりましたが、気負わない自然な流れを感じます。

今日は一緒にワークスペースのシェアを検討しているヒヨコ先生と、打ち合わせ。ヒヨコ先生は子供のバレエ教室や大人のヨガなどから、キッズコーチング講師まで幅広く活動されています。私も含め、私利私欲に走りがちなのが人間ですが、どれだけ尊ぶ人をサポートが出来るか! そうして見て、体験して、気付きを得る。他者から学びがないければ、もう私だけではお粗末に終わるだけです。


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打ち合わせ後は、生活援助員の夜勤に入って、今度はHさんとコラボ。彼が描いたのは、ガンジス川の火葬場です。私が23歳の時にインドに行った体験談から着想を得たそうですが、これぞHさんならではという世界観を一発で仕留めてくれました。

ガンジス川の火葬場はベナレスという街で目にしました。印度人はバナラシと発音されるのですが、骨を灰になるまで焼いて、そのまま聖なる川に流してしまうのです。その下流で沐浴する人がいれば洗濯する人もいるのが凄い光景でした。

死ぬ事で聖なる者になるという概念はあるのでしょうが、その時に私は、聖は俗と表裏一体というより、一対のセットだと痛感したのでした。

 

私は、彼の絵を見て絵を描く衝動を突き動かされました。そこで煙突のあるヨーロッパの街並みの写真をモチーフに街自体に死生観を感じさせる荒々しいタッチで臨みました。通常の工程を度外視して、濡れている透明水彩の画面にクレヨンを這わしたり、予定調和にならない様にしました。

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老婆と娘と孫娘の3人が路地を向かって来るところにだけ微かなリアリティーを残す事で、それがギャップとなり出鱈目で埋め尽くされ、破綻した画調の凄みが立ち現れるかも。そう確信して30分で描き上げました。

一見、2つの作品は無関係の様でいて、お互いに引き合い、触発する意味において、紛れもなくコラボレーションなのです。Hさん今日もありがとう😊