アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

マテヤ君ようこそ

10月14日「国際水彩画交流展 東ヨーロッパと日本の絵描きたち」最終日が迫りました。最後は陰の立役者であるマイチ・マテヤ君(写真)に感謝を捧げるイベントで締めくくります。

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写真は2016年初来日時の様子です。セルビア絡みの企画は、翻訳・通訳に止まらず、右腕としてこれまで必ず彼に支えてもらいました。私の座右の銘となっている「画家とは子の眼を持つものなり」という日本語で書いたメッセージカードを彼からもらいました。2015年、彼がまだ高校一年生の時に縁があって私とベオグラードで過ごした数日に感じた画家の印象だとのことです。高校一年生でこんなに本質を突いた言葉を投げた彼の才覚に驚いたものです。

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彼の言う子の眼というのは「子供のような純真で綺麗な心」というのとは違うと感じました。子供はそんなに単純ではありません。「物事に生まれて初めて向き合う新鮮さを保ったものが子供であり、それこそが子供の特権である。そういった等身大の反射神経を保持出来なければ画家ではなくなる。」という意味に捉えたのです。

実際に私は子供を教育しようとした事はありません。絵の先生が行う美術の授業という子供の思い込みの檻から、まず心を開放するところに重点を置きます。そういった話はこどもアトリエ青 ブログでも書いているので、ここでは端折ります。

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要は、誰もが持っていた筈の特権を喪失して、画家がただの大人になってしまっては元も子もないのです。子供が何を見せてくれるのかに立ち会う事で、気付きと反省、学びがあります。

よく耳にするのが、出来の悪い絵を描いて「子供みたいな絵になってしまった。」と卑下した言葉ですが、大きな間違いで、むしろ肯定的な言辞として用いるべきなのです。例えば「子供のように描けた。」が正しいのです。

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                  セルビア国連小学校校長室


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                       こどものまちおおつ 

 

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                          ベオグラードの Gallery Bogic

 

今年度から念願かなって、留学生として来日したマテヤ君の歓迎イベント。それは私がプライベートで歓迎会をしたら済むのでは?と思われるかも知れません。しかし、本当の目的は彼に直接お礼を言う機会を作りたかったのです。彼がどんなに面倒な作業を黙々とこなしてくれたお陰で展示会が継続して来れたかに気が付いていない作家や出展者達。セルビアで使いっ走りにされるわ、展示作業を手伝うわ、その労力たるや大変なものです。全部ボランティアです。

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この機会に思う存分彼に直接感謝を述べて下さい。