アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

事なかれ主義

初個展をしたのが、ほんの5年前の2014年で、50歳になる前の事でした。それ以来、当ブログに掲載しているプロデュース企画やアートをツールにした子供関連の企画イベントも沢山して来ました。私の場合は、出張ワークショップなど依頼が来たもの以外の全ては予算を自腹でまかなっています。元々依頼も大半はボランティアなので、画材実費のみで行います。海外の場合は画用紙程度は用意してもらってほかの画材を持ち込みで開催します。最初からそのように決めた訳ではありません。では何故そうするのか。企画書を上げて予算申請をしたら実現までに一年以上掛かったり、認可を首を長くして待っいても結局却下されるなどフットワークが重くなるばかりだからです。残るのは書類の残骸と何十回と言うメールのやり取りのみ。何も実現出来ません。学校も送料さえ負担してくれる事はありません。

世の中には企業や公官庁の助成金制度なるものがあります。それを活用すれば良いと言う方もいますが、その中には殆ど芸術に関するものがないのが日本の特長です。もしあったとして、雀の涙ほどの助成金を使うだけなのに決算報告などの雑務が増えて負担になります。その上、助成金営利企業の税金対策と社会貢献PRによるイメージアップが本当の主旨である場合が多く、妥協して方針を擦り合わせないと好きには使えません。この時点で私の主旨は次第に霞んで行きます。

一方で、助成金獲得を目ざとく狙うために、肝心の活動を上手く後付けする輩も非常に多いのです。そういう悪人は架空の活動実績を捏造し、更に整合性を出すために裏帳簿を作ったり架空の領収書を平気で捏造します。ところが、実際に助成金の大半は飲食や生活費として消費するのです。こういった事に目くじらを立ててもキリがないのですが、人間は果てしなく貪欲なので、この方法で味をしめると抜けられなくなります。大義名分を振りかざしてお互いが利害関係を保ちながら暗黙の了解で付き合う、そういったシステムが当然の様にまかり通るから本当に活動する者がやり難くなるという点で罪深い存在なのです。

架空の社団法人や営利法人、政治・宗教法人の世界で動く億単位の裏取引額から比べれば、数十万円からせいぜい数百万円などこづかい銭に過ぎないから構わないという感覚も通用しません。詐欺ですから。

そこから一番遠いところにいるために自分で働いて稼いだお金でやる。これが私の結論です。当然活動の普及面積になかなか広がりを持たせる事は叶いませんが、嘘で塗り固められたもので人を釣るよりはマシです。いづれ私に触発された子供が引き継ぐ可能性に託すのが一番だと思うに至りました。

現に今開催中の展示会は国際芸術交流協会シロカスターザとアトリエ青の連名で主催していますが、シロカスターザからは全くの資金提供はありません。その代わり私がセルビア渡航時には、お互いに色々な提案、企画を打ち出してサポートもしてくれます。それで充分なのです。

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前置きが長くなりましたが、通常個展をする場合は、案内のDMやフライヤーを作成します。私も最初は1,000枚のフライヤーを印刷しました。自力でコツコツと何十箇所に頭を下げて配布しました。1,000枚では足りずに結局2,000枚を撒きました。アートグループOAKの展示会時は3,000枚を印刷して撒きましたが、公官庁の後援を取り付けるのに尽力しました。しかし、どこも体面ばかり気にする割に見にも来ません。メリットはわずかなフライヤーを置かせてくれる事だけでした。

ところが、去年あたりからそれさえも拒絶される事が増えて来ました。表向きはフライヤーの設置スペースが少ないという理由を何処も使います。公官庁主催のイベントは最優先で設置しますが、民間の企画について忖度をするとあらゆる面でクレームの対応に追われるのを避けるために、敢えて狭くして全部断るというなんとも非文化的な対処方法を取り始めました。一見良いイベントに見えて実は顧客勧誘目的など色々なケースがあったのだと思いますが、リサーチをする手間も惜しんで忖度を回避する事で業務の軽減を図る、これを事なかれ主義と言います。

私はもう、先方から是非設置させて下さいと言われない限り、何処にもフライヤーを置かない事にします。こちらが忖度させてもらいます。

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本当の仲間たちと、学習意欲がある者だけで回して行こうと思います。