アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

絵描きになる方法

このところ自立援助ホームの仕事でメンタルが急行直下😅 やり切れない思いにさいなまれてしまっていました。今もそれは続いており、光明が見えない状態ですので、今日は絵描きを目指す方に私の経験から有効な情報をお伝えする事にします。

絵描きになるには、絵の鍛錬は当たり前ですが、それ以上に処世術が大事です。画廊との人間付き合いはもとよりセルフプロデュースをSNSでも発信して、少しでも多くの方に自分をアピールしましょう。いち早く個性的な画風を確立すべく他の画家との差別化に尽力しましょう。公募展で受賞を狙うには審査員の先生が好む傾向や過去の受賞作品をリサーチして、対策を立てるべきです。画壇に所属してある程度の立場の先生に気に入られるようにさり気なく媚びを売り、金銭的な面でも出来る範囲で恩を着せる事です。個人的に食事やお酒に誘われれば断らずに行く事です。そうすれば票を沢山入れてくれます。有名な画廊のオープニング・パーティーには結構な人脈の方との思わぬ縁があります。最低でも毎週一回、ハシゴする気持ちで通い詰めましょう。

とにかく顔を売り、少しでも興味を持ってくれそうな方には自分の作品をさらっとお見せできるように写真ファイルを持参しましょう。絵描きなのですから絵を描く時間半分、利害関係を発展させる配慮半分に時間配分をして下さい。

以上は、全てやったら駄目な事です。では何をすべきか!

まず経済的に自立するためにも、絵以外の仕事に従事しましょう。お金を少し貯めたら海外に旅に出ましょう。閉塞的な日本社会の価値観を吹っ切りましょう。個性は勝手に滲み出すものであって、作為で作り上げても意味がないので、自然体で臨みましょう。画壇や美術系の大学などで媚びを売れば裏から手を回してくれるような先生とは関わりを断ちましょう。枕営業はやめましょう。SNSで発信する際には人に楽しんでもらう事と、自分の失敗を晒す事を目的にしましょう。

ギャラリー巡りでは描いてはいけない絵はどんな絵かを見定める眼を養いましょう。直ぐに値段表(貸し画廊代金)を見せて誘ってくる画廊のオーナーとは付き合いをやめましょう。公募展には自分の描きたいものを出品し、自分の長所・短所を知る(第三者目線)目的に徹しましょう。受賞するための対策は無視しましょう。ご機嫌取りの食事・お酒はキッパリ断るか無視しましょう。ホテルでの何周年記念式典・例会参加などは愚の骨頂です。そういうところに出没する楽な仕事を回してくれそうな営業話には乗らないようにしましょう。

ここで言う楽な仕事の一例は肉筆画でペットや故人の肖像画のクライアントを仲介するピンハネ業者です。富裕層は高額であればあるほど価値を感じるので、30万で売ったら20万円を業者がピンハネし、10万円が制作者に入ります。ピンハネされても月に3枚くらい描けば、30万円を手にすることが出来るので楽に生活は出来ます。しかし、人間としても絵描きとしてもどんどん堕落します。(但し、こういう絵でもプレゼントに徹すれば、堕落を免れます)

以上は全て私が見聞きしたり、体験から申し上げた次第です。絵描きでは食えないという問題をよく耳にしますが、かといって焦ってみんなやっては駄目な事をし、なんとか絵でブレイクしたがりますが、そこには落とし穴が待っています。時にはこの世から消えたり、画家として自分を見失います。この様な堕落した人間が描いた絵のどこに魅力があるのでしょうか!?  単純に考えてもあり得ません。

一方で、生きるために汗して当たり前の社会人として苦労し、色んな人間に揉まれて忍耐や精神力を養いましょう。海外の旅を多く経験すれば自分が揺さぶらて、卑小さを肌で感じます。一方で狭い視野に拘る自分から解放され、自由な感性の中で芯や核が徐々に確立して行きます。焦らずに生きましょう。その中でずっと絵に向き合い、その時間を慈しむ事が出来れば人が見ても何か深い感銘を受ける絵が描ける様になって来ます。

近年はいきなり学生時代からネットオークションに出展し、高価落札され易い裏技を講義と称してレクチャーする美大も増えていますが、それは絵でもビジネスになる事を周知させて学生を呼び込み大学経営を維持するためなのです。そういう目くらましには注意しましょう!

ついでに絵描きを目指している訳ではないけれど、好きで描き続けたいと考えておられる教室の受講生のような方が伸びる方法を少しお伝えします。人より上手くなろうと考えず、自己の向上心のみに歓びをもつこと。また教室空間はコミュニティ広場ですから、それも楽しみましょう。人が苦手な方は無理しなくて良いです。

最低限自分の使用スペースの掃除や片付けをし、余裕があれば他人にも目を配ること。絵が描ける方は決まって掃除を率先してします。対して受講料を払ってるのだから、そういう事は講師や施設の担当者がやれば良いと考える方は、どんどん絵が悪くなるでしょう。逆に人が面倒がる事をやる方は、それが清々しいと知っているので、絵に良い影響を与えます。

利己的でなく思いやりを持って人と接して、人の喜びを良きものと感じ、自分を卑下する発言をせず、場に配慮しましょう。難しく考え過ぎず、二度とない時間を共有している事に感謝しましょう。全てはそこからであり、絵のテクニックなどは所詮小手先だという事を理解しましょう。

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昨日描いた小説扉絵

絵描きになる方法は、今後も不定期に続けて行きます!