アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

シ・オ・ミ ワールド

シ・オ・ミ 師匠からご依頼を受けた肖像画を描きました。お題は若い頃にお世話になられたマジシャン故・村上天洋師匠。語られた思い出からはひょうきんでトボけた先生だった事が偲ばれるのですが、写真や資料が手元にないということで、唯一参考に出来たのが昔のVHSビデオから起こした写真でした。しかし、とても画素が荒い上、想像以上に強面! どう切り取るか迷いました。

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1枚目(画面奥)はペンと透明水彩でいつもの感じで描きました。西欧人のようになってしまいました😅   そこで、開き直って100円ショップのオイルクレヨンを使って強面をそのまま描きました。VHSの荒さをそのまま残して描くとこの様になるんですね!

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翌日のシ・オ・ミ 師匠のマジック会では、これを舞台袖に置いて2時間に及ぶ シ・オ・ミ ワールドが展開され、弟子、孫弟子、ひ孫弟子や門下生がアクトを披露して村上天洋師匠に捧げたのでした。

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中程で私もちゃっかり出番を用意して頂き「出発(たびだち)の歌」の上條恒彦のものまね下條恒彦で登場!  

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歌に合わせて駄洒落マジックを師匠が披露して、さらに小梅太夫に扮したニッシャン堂まで登場し、舞台はカオス状態になりました。

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ほとんどのお客さんと私自身も何が何やらわからない掴み所がない舞台でしたが、これはまさにフェリー二の世界観です。フェリー二についてピンとこない方は映画「フェリー二のローマ」「フェリー二のアマルコルド」あたりを買ってご覧下さい。

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写真2枚とも「フェリー二のローマ」より

観る気が起こらない方には、一見くだらないけれど、意識しない繋がり関係性。その反対にある単体での不完全さと滑稽さの双方を肯定する作業だと、解釈して頂ければ良いかと思います。

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ダンシングケーンをレクチャーするシ・オ・ミ師匠

現代日本でフェリー二が体現出来るというのは、シ・オ・ミ 師匠ならではの力量であり、実に凄い事です。私はシ・オ・ミ ワールドで端役を演じる有り難さをひしひしと感じるのですが、常時内輪受けだとか、狭い世界だという批判が付きまといます。それに対してシ・オ・ミ師匠は、反論しないというのも良いのです。