アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

映画は残像で動く

私のプロフィールには、画家になる前はアート系映画館の映写技師だったと記載しています。私にとって映画と絵画は密接な繋がりを持っています。約20年間勤務した京都みなみ会館が3月末で閉館しました。映画マニアには全国的に有名な小屋(単館)でした。アルバイトで入って、映写主任、館長、支配人まで務め、最後は激務がたたって体調不良で退任しました。

下記は京都新聞の記事抜粋です。

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180401000020

 

閉館時の支配人は私の部下の部下でしたが、志しを引き継いでよく頑張ってくれたと思います。メイン扉に寄せ書きをしたビジュアルにサヨナラ特集のタイトル群をあしらったフライヤー(チラシ)はイケてます。私も映写した思い出の作品です。余談ですが、この扉はよく外れて大変でした😅

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老朽化は当時から顕著でしたので、今までよく持ったというのが正直なところです。来年以降、新天地で再開するようなので映画の灯はともり続けるのでしょう。

私が在職中に映画雑誌「映画芸術」に掲載された原稿は、2009年に「映画館(ミニシアター)のつくり方」という書籍に収められました。今でも手に入るようなので、奇特な方はお読み下さい。とは言え、公表出来ない裏話には触れていません。どちらかと言うとそっちが面白いのですが🤣

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今日はある映画館の閉館に伴い、今まであまり触れなかった経歴についてお話ししました。

さて、ここからが本題ですが、映画は1秒に24コマの静止画像と24回のを交互に映しています。皆さんはスクリーンを観てももちろんは感じませんね。何故かというと、脳の視覚中枢で残像が埋めているのです。それにより静止画像がスムーズに動いて見える訳です。これは映写技師が最初に理解すべき大事な部分です。でも、感覚的にわからなくても気になさらないで下さい。要は人間が脳内で作って成立するという事です。この感覚は私の描く絵にも言えます。色々な仕掛けを施す事で、鑑賞者が能動的に働きかけられるようにしています。

また、映画は影絵やステンドグラスに似て、光がフィルムを透かしてスクリーンにイメージが映ります。だから真っ暗な空間が必要なのです。暗闇で遠くの間接光を見るので、目には非常に優しいです。ところが最近ひとり映画館とか言って、スマホタブレットを段ボール箱にはめ込んで被る方がいます。

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これは目が悪くなるのでご注意下さい☺️