アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

版画始めました

先月、ふと版画をやろうと思い立ち、彫刻刀やハガキサイズのゴム板、版画紙などを購入しました。透明水彩も独学でやって来たので、版画も独学でと心に決めています。

独学でやるメリットは失敗をすべて引き受ける事に尽きます。失敗こそが財産であり、一番身につく方法なんです。それに案外誰もしていない技法を知らず知らずの内に発見している場合があります。

先ずは版下を彫って版画インキではなく、透明水彩絵の具を塗って刷ってみました。ゴムは撥水なので絵の具が馴染まずに膨張しました。

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次に版下と紙の両方に着彩してみたらこんな風に。

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もう一度、同じ方法で刷ると、益々曖昧に。

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水彩紙には着彩せずにねっとりした絵の具で刷ると、少し版画風に。

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更にねっとりさせると一番、らしい雰囲気に。

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どれも予想していた仕上がりには程遠く、全部没となりました。しかし、これだけ豪快にすべって、捗らない気分というのは透明水彩を始めた頃と同じです。

掴み所のなさという点において、未知数の可能性を感じて清々しい気分になりました。表現に慣れてしまって、退屈になるよりも余程、精神衛生的には良いと思います。

今日は版画の端緒を掴むどころか、のっけから水彩絵の具で安易に刷ってしまった事を悔いて、もう少し専門のインキをはじめ、版下の彫り方も一から見直す必要を感じました。

上手く行くまでに気が遠くなってしまって諦めるという選択は、これまで絶対にしてこなかったので、楽しんで行きたいと思います。