雨降る石畳の露地をレクチャー用に描きました。4枚の写真で工程をアップします。
下描きなしで、ネオンと暮れゆく空とに区分けして滲みを作り、乾燥してから薄い色で建物を起こします。
左の建物にも手を入れて、石畳を重ねて起こします。画面右に色を付けた紙をちぎったり切ったりして花を糊で貼りました。淡いトーンの中にポッポと咲く雰囲気を柔らかく出します。
画面中央の路地の角に曲がる人を描き入れると水平のリズムが生まれて動きが出ます。貼った花に葉っぱを筆で重ねて馴染ませます。水性ペンを入っているのがわからない様に走らせて水で滲ませます。
馴染ませたつもりが逆にくどくなったので、水を乗せてあと滲みで溶かします。向こうのネオンを洗いを掛けて抜き再現します。灯りの照り返しの路面の光のみ白を入れました。白絵の具だけに頼らずに紙残しとの相乗効果を狙わないと下品になります。
最近は自分の作品ではオーソドックスな技法を駆使する事はありませんが、こうやって人に伝えるのに素直な工程で描くのも楽しいものです。