アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

上達より探求

この一ヶ月程はほとんど風景画を描くことがありません。何故か自分の絵に対する嫌悪感、というより、鑑賞者に寄せてしまう感覚が邪魔に思えてなりません。だから敢えて描かないでいるのです。

今日は水彩画教室でポール・セザンヌの話題になりました。これまでセザンヌの原画は国内で数える程ですが、見てきました。静物も人物も風景も大好きなのですが、その魅力は未だに紐解けません。魅力があるのに深く感銘したり、画家として畏怖の念がないという点で稀有な画家だと思います。

純化しているのに本質は描けているし、筆致が力強いのに受ける印象は優しい。こんな芸当がどうしたら出来るのでしょうか⁉️   私は油彩画を描いていた頃には、セザンヌには絶対に似せないようにしていました。何故ならそこには敗北しかないからです。安井曾太郎が二十歳の頃にヨーロッパに渡航していち早くセザンヌに傾倒して描いた静物画を見た事がありますが、あれが唯一成功した模倣だったと覚えています。今日は私の7枚の水彩画をアップします。これらはこの2、3年間に描いたものです。

 

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これらに共通しているのは、良い不完全さを持っているという事と、あまり透明水彩らしくない、それと塗り残しが多い事です。これまでどうしても展示会には出展出来ずに仕舞ったり、気に入ってくれた人にあげています。褒められる絵ではないけれど、そこに何か潜んでいる気がするのです。

読者の方も「ああ、凄いな」とか「いい絵だなぁ」とかいう印象よりも、これでもう出来てるの?という感覚が先行すると思います。そこにセザンヌに繋がるヒントがある様に思いますが、果たしてそう上手く行くのでしょうか?  更に探求を続けてみます。