アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

コラージュ風に人物を描く

昨日に引き続き松田優作の伝説的な作品となった「野獣死すべし」とそのキャストにオマージュを捧げる一枚を描きました。これが映画デビューとなった優作の後輩 鹿賀丈史の好演が光る一作でした。また当時アンニュイでどこか不健康な感じが逆に独自の存在感を醸した歌手の小林麻美が悲劇のヒロインを演じて、忘れられない印象的なシーンを刻みました。そしてキャリアの熟練した室田日出男です。ちょうど今の私の年齢くらいの時の出演ですが、蛇の様に優作を追い詰める刑事を熱演していました。しかし、そのどれも吹っ飛ばす優作の存在感は圧倒的でした。今まで人気を誇っていた鳴海昌平のハードボイルドキャラから一転、狂気を孕み病んだ人間 伊達邦彦を独自のアプローチで生き切りました。

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奥歯を2本抜いて激やせして役作りし、亡霊の様な男を演じましたが、制作の角川春樹は激昂したそうです。身長も小柄でひ弱な人間像にするために脚を10センチカットしようとして医者から止められた逸話など有名です😅

ここに描いたキャラの内、かろうじて生き残るのが一人だけという展開ですが、今となっては、画期的なアプローチで臨んだ奇特な作品として再評価に値します!  

私は汗のテカリ具合でそれぞれの人間性を出せたらという思いで挑戦しました。こういう落描きはひたすら画力の維持を目的に取り組んでおり、イラストレーションに属しますが、売りに出す事は全く考えていません。