アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

無駄のなかに何が出るか

座頭市」で有名な勝新太郎座右の銘「無駄のなかに宝がある」を聞いて、なるほどなぁ〜と腑に落ちたのですが、無駄というのは効率的とか合理的の反語であり、余白・余裕・遊びが人生の大半を占めていなければキラッとしたものが出てこないという意味だと思いました。

まさに私が、一番大事にしている人との時間、バカをしたり、思い入れたっぷりに企画展を開催したり、そこで唄ったり、これら全部が過程であり、何が起こるかで決まる! そんな感覚にピタっとハマったのでした。勝新とは比べものになりませんが、勤勉・真面目が美徳とされる日本ですが、真面目なんてなんの自慢にもならないと思っています。真面目だからキレるのです。誠実ならば話は違いますが。話が脱線しそうになりましたので今日の一枚です。全体に気が抜けた感じになりました。

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画面にいる人がみんな人間的で親しみを覚える感覚を抱きます。このように空や地平線のない構図の場合は、右手の外壁の陽光に抜け感を出します。縦に伸びる通りは左手の建物に隠れるので閉塞感はあっても抜け感は出せないのです。出来るだけ豪奢なタッチで建築を捉えずにふんわりと描きました。素人っぽいのですが、随所に微妙な白残しを施しております。これが結構な高等技術です。どこが上手いとかいう印象をなくして適当で全体に締まりがないのが計算です。