アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

はみ出して

今日は5時間ぶっ通しの水彩画教室に7名の受講生さんにお越し頂きました。全体にモチベーションが高く、とても私は絵を描いている場合ではない嬉しい状況でした。講師として教える場合は、私の頭では完成図が一瞬で出ています。それを逆算してどう伝えるか、またそこからどう個性的な方向に向かう事を容認して、飛躍してもらうかに掛かって来ます。

対して自分で作品を描く場合は、そういった脳内で見えるイメージを如何にはみ出すかに掛かります。今日は自立援助ホームの夜勤で、飯を作ってから一枚描きました。F10サイズなので、最近の中ではまあまあ大きい方です。水性ペンは途中から使ってみようと思い、いきなり着彩。

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ここで一旦止めて、やや乾燥してから水性ペンのグリーン、紫・ブルー・焦茶を使い分けてジャズの様な即興で描き殴って、また着彩。最後にちぎった紙を紙残しのしたかった箇所にドンドン貼り付けてみました。そこにも着彩したり、しなかったりで、建物の灯りや、河の水面の光線に見立てました。そして出来たのがこちら。

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ほとりに立つ女性は、ブルーに塗った紙を手でまるっとちぎってぺったん!このフォルムが意にそぐわないのが面白いですね。向こう岸の建物群がどうしても情報的に多いので、人物は省くか考えた末の苦肉の策でした。この苦肉の策というのが、なかなか泥臭くていいのです。泥臭く身悶えしながら描けば、自分が想像していなかった絵が描けます。教室では絶対に教える事が出来ない仕事をしないと画家で居続けることは不可能です。