アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

闇へ沈潜したい

今日の水彩画教室は、たまたま予約者が少なくてずっとマンツーマンになりました。これ幸いと脇で一枚描き上げました。透明水彩によりフランスの撮影監督アンリ・ドカへのリスペクトをしてみました。アンリ・ドカは曇天の名手でした。街や海・空はブルー調のずっしりとした冬のコートを纏った様な重さを湛え、人物さえもグリーンや青みがかったピンクで撮ってしまう。そこにはピカソの青の時代を連想する陰惨さがあります。私は、その色調が見たいだけで映画を観る事があります。黄緑でさえ寒々しさを感じる彼のセンスが大好きだからです。

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そこに少しだけ暖色(イエロー)を効かせてアクセントにしました。曇天の空にも暖色を入れています。映画を観ると、こういった先達が苦労して手にした感性のお裾分けを頂けます。娯楽でありながら絵の勉強にもなるので、こんな好都合な事はありません。

黒は一切混色しないで20年ほど透明水彩を描いてきました。それは色の彩度(鮮やかさ)が極端に落ちるからですが、ぼちぼち黒を混色しないと見れない境地に来ている気がします。闇に沈潜するためには黒はありです。先ずは黒絵の具を買いに行こうと思います!