アトリエ青 Art Studio Blue

画家・アートディレクター 石田泰也の日々の活動風景をお届けしています

自然を超えてこそ虚構

今日は今年一番時間を掛けて描きました。およそ2時間くらいでしょうか。しかも、途中で夕食を食べて中断したり、ずっとテレビ「THE MANZAI」に聴き耳を立てながら筆だけは集中する風にしました。原寸F8くらいの大きさの場合は、普段なら40分くらいで描きます。それは、破綻や偶然を出来るだけ取り込む為です。時間を掛けるとどうしても丁寧に描いてしまいつまらなくなるからです。しかし、この絵は良いです。丁寧に描いた場合に陥る説明性がないのが良い!

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ちなみに水性ペンを入れた前段階がこちら、焦茶色をメインに紫とオレンジを少し仕掛けています。

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着彩や遠近法が全て偶然味を出している様ですが、私は全てコントロールし、効果を見抜いています。それは自然でなく虚構です。何故この様な絵が自分に描けたのか!?

それは今日の昼に家で観た「シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛」という1973年の映画に深い感銘を受けたからです。興味ある方は自分で調べて下さい。

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この映画は日頃から懇意にして頂いているマジシャン シ・オ・ミ師匠から教えて頂くまで、全く知りませんでした。オープニングのカットを観て、撮影に非凡なセンスを感じたので、調べてみたら撮影監督は私が大好きなヴィルモス・ジグモンドでした。

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ハンガリー生まれでハリウッドで活躍した監督ですが、絵画や写真を勉強してから映画界に入った方で、光・フォーカス・色彩などフィルムの特性を知り尽くしています。映画は一見自然に物語りに集中して観てしまう作りですが、撮影や音楽・編集などの要素が濃密に絡んで出来上がっていました。各パートが技法にノリと感情が入っており、監督の要求を超える答えを出すことに愉悦感を感じている様に見えました。それはまさに虚構の魅力であり、それを感じる事が出来る幸福感が、私に今日の一枚を描かせてくれました。ありがとう映画!