今日の久し振りの公開制作では、不穏な空気を描きたくて、中間色を褪せた濃さで着彩。同時に版を掘る要領で白残し(紙の塗り残し)にこだわってみました。この絵は引いて見れば見るほどトリッキーな程に風景に見えます。
人間の記憶やデ・ジャブを喚起させて、人それぞれに不平等にイメージを膨らませる事が狙いです。線で物を括るという作業をしない事で、物と物の境界が曖昧になりますが、それはどこでも切ることができる自由さを内包します。
次に描いたのは水性ペンと透明水彩の共存です。構想では石畳と左右のビルの狭間の幾何学建築のラインが抽象画の様にリズミカルな調子で踊る筈でした。しかし、調子が出ずに手を入れ過ぎてうるさくなりました。
空の青さも不釣り合いだし、メインの色彩が決まっていないのも問題です。これを強調したいとかでなくても、この色がここにあるから全体が腑に落ちるという仕掛けはしないといけないと思います。
なんだか2枚とも原色を抑えて使うと、多少の事だと言うのに問題提起をしていると感じます。色彩はもっと自由でなくてはいけない。次はそれを試そうと思います。