夜景といえば、近年はすっかりライトアップが定着しましたね。プロジェクションマッピングなどのアミューズメントのノリまで登場しております。デジタルならではですが、私個人的には辟易します。ライトアップも絵にするとこんなにいやらしいものはないのですが、どうすれば受け容れられるかの実験を試みました。
今回のこだわりは空を無数の色彩であそんでみること。建築物をペラペラのハリボテの様に描く事です。折り曲げたダンボールに無数の穴をカッターナイフで空けて、そこにセロファン越しのカラー照明を当て、水に浸したように見えればいいな〜と思って描きました。
時間ととものダンボールは水分を含みしなって来て、やがてベロンと倒れる。その時に全てが闇となり過剰な演出が消失すればいい。
そんな儚さと危うさ。そういうアプローチはフェデリコ・フェリーニの映画芸術からインスパイヤされたものです。