アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

絵の面白さ

 

前回の投稿「点描のすすめ 」に対して、多くの読者さまから反響があり自分でも驚いています。同じ様に夕暮れの交差点を描こうとして惨憺たる出来になり筆を置きました。

 

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私は滅多に途中で筆を置かないのですが、いくらなんでもこれは酷い。なので公開処刑をする事にしました。点描風水彩画は、コントラストの強い日差しなど明快な画面でないと返って難しくなります。

それに気が付けたのは収穫なのでよしとして、このままでは引き下がれないのでもう一枚描きました。

 

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これはスケッチ風の軽いタッチと滲みで表現したので、点描風ではありません。よくも悪くもない凡庸な絵ですが、自分で気に入っているのは、3つの屋根の軒が水平でないところです。

パッと観ると二人の人物に目線が行くでしょう。もちろんそこは大事なところですが、全てを正確に描くときつい絵になります。それを緩和するために重要なのが先程の屋根、そして木の根元が着地している地面の高さで出るリズムです。

そんなところ本当に重要? と思われる方は多いですが、絶対に譲れない部分ですね!

それによって画面が軽快になり、人物と同調するのです。家も動いているように感じることで人物と一緒に散歩している気分になります。

だから、この画面に人物がいないのであれば軒は水平に描いても構いません。絵はそれを観た事がきっかけで、ある印象を助長する自由を持っているかどうかが大きな鍵になります。

 

 

♯絵の面白さ ♯セルビア水彩画