前回の「失敗作を描け!」に続く話です。
日本では真面目=美徳と考えられがちです。
社会的には不真面目より真面目な方が、良いには決まっているのですが、藝術においては、束縛や常識から自由であるべきです。真面目を呑み込んでしまわないといけません。
その意味において、私は真面目の反対語となる遊び で満たされる絵を目指しています。
今日も失敗を恐れずに、遊びを仕掛けて描きました。
ところが、真面目さが邪魔をしており、結果は没です。
この絵はどの水彩画のテキスト本にも載っていない、上手くいかない手法を取り入れています。
上手くいかないと言うのは、表面的に空なら空らしく、草なら草らしく表現せず外す行為です。
それって意味不明だ!と思われる場合は、それが遊び だと思って頂くと少し腑に落ちるのではないでしょうか。
テキスト本は、それらしく描ける喜び、達者な絵に見える方法論・技法解説に終始します。
そういう需要があるから出版されるのですが、私はつまらないので、それを揺さぶって行きます。
しかし、それはあくまで画家としての私個人の立ち位置であって、私の講座を受講される方には、真面目な基礎を理解してもらうように努めます。その上での遊びですから!
そこでワンポイント解説です。
この画面を横切る紫の線が地平線です。
またこの線はこの風景を眺めている人の目の高さとなります。
この人は橋の上に立っており、そこから上流を見ている訳です。
それが理解出来るだけで構図は安定します。
講座中に一番よく見受けるのが、風景を描く場合、最初に地平線の設定を忘れる事です。
これはのちのち致命的なミスを誘発します。
地平線を意識する事で遠方中央の白いドーム状の教会の高さや川の水面(水位)が見えてきます。
それ以上は、受講生にならないとお教え出来かねますね (*≧∀≦*)