アトリエ青 Atelier Blue

星つりじいさんの日々の暮らしをお届けしています

クロッキー・写生・心象風景

 

今日は朝から3枚一気に描きました。

1枚目はセルビアの村トポラを訪れた時に見かけた、落ち葉清掃をする3人の人達。

中年の男性と紙を束ねた女性、そして70歳は超えてるだろう白い髭の老人。

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黙々と作業するのでなく、楽しそうに仕事をしている様子が伝わって来て胸が熱くなったのです。落ち葉がゴミではなく宝物を集める様に見えたので、それと人物に焦点が合う様に筆でクロッキーしました。

 

次に同じくチュミチ村の廃校の校庭に侵入して見た風景。オレンジ色の瓦に西陽が当たって発光する様に美しく温かいイメージで、心トキメキました。 画面右端のベージュ色の校舎の壁を暖色にする事で、画面から温度が感じられる風にしました。

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この絵は多少のバランスを崩していますが、基本的に写生と言えます。

 

最後にベオグラードにいる親友の大学生マテヤ君と雨が降る中、ゼムン行きのバスを待っていた時に出会った光景。道路を挟んで向かい側でバスを待つ人々や、形がユニークな店舗。私が「凄く良い景色やねー」と言ったら、マテヤ君は「え〜、ボロボロで恥ずかしいです。」と答えました。しかし、この様にベオグラードには築200年を超える建築がざらにあります。 

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人が暮らし続ける事でしか出ない深さと経年劣化ではなく経年変化する事は素敵だと思うので、心象風景になる様に描きました。

最初からクロッキー・写生・心象風景と描きわける意識はなく、後でそう思っただけですが、興味深い現象です。

サプライズで公開制作!

 

前回、売り絵を描く実験をしたら、気分が悪くなって吐き気がしたので、もう止める事にしました。😂  感情をセーブしたら平気で売れるというのは間違いで、後味が悪くて後悔する事が想像付きました。買った方も被害者です。

そこで、気をとり直してもっと好きに描き続ける宣言をすべく水彩画教室の続きで公開制作をしました。

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ベオグラードで目にして、わくわくした建物を私オリジナルのあと滲みで描きました。フォルムを好きに崩して、重厚感を拭い去り、軽快に仕上げました。着彩はコテコテ、カサカサに透明水彩絵の具を塗って、最後に刷毛で水を塗ります。

独特の表情になるこの技法は、真似できるものではない、というよりオーソドックスに描ける先にやるべきです。

 

一旦これを見て頂いてから、次はごくオーソドックスな方法でシンプルな農村の小屋を描いてみました。

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変わった事をせずとも、さくさくっと描けます。洗濯物が掛かったロープにのみ白絵の具を使いましたが、壁面や柵の白は全部紙です。

 

普段の教室では、ゆっくりレクチャーしながら描く時間が取れないので、今日ご覧になれた方はラッキーだったと思います。また予告なくその時の気分で公開制作します〜

今年はこれで透明水彩を200枚描きました。枚数で記録を出す必要はないですが、これだけ描いてもどんどん奥の深さに気付けるのが、楽しいですね!

 

 

 

♯水彩画公開制作   ♯セルビア水彩画